まち遊び日記

リバースモーゲージ型住宅ローン

先日、住宅金融支援機構の方から、住宅融資保険を活用した「リバースモーゲージ型住宅ローン」の概要などについて話を聞く機会があった。「リバースモーゲージ型住宅ローン」とは、60歳以上の方が居住住宅を担保に、金融機関から融資を受けて、死亡時までは…

「計画的縮退」について

facebookで若い昔の同僚と議論をした。 先に書いた「町を住みこなす」の後半で、高蔵寺ニュータウンの地域循環居住について書いたが、そこから「計画的縮退」について派生した。 彼が「そろそろ『計画的縮退』が必要だ」というのに対して、私からは「行政的…

建築士制度の矛盾

新年早々、建築士のあり方について議論をしてしまった。 昨今、ゼネコンでは建築系学科を卒業した社員に、一級建築士よりも一級建築施工管理技士を取得するよう勧めることが多い。一定規模以上の工事現場には監理技術者を配置する必要があるが、監理技術者の…

あけましておめでとうございます

今年は変革の年。さて、4月以降、どんな人生が待っているのか。楽しみでもあり、悩んでいます。いずれにせよ、常に前向きでいたいものです。責任感を持って、楽観的に。

京都空き家セミナー(京都・六原における空き家対策の取組)

京都市及び京都六原学区における空き家対策についてのセミナーがあり、聴講してきた。なかなか楽しく、かつ勉強になるセミナーだった。以下、その概要を記録に留めておく。 まず京都市役所からは都市計画局まち再生・創造推進室密集市街地・細街路対策課長の…

「さしがね」や「墨壷」って見たことあるだろうか?

公益財団法人「竹中大工道具館」の赤尾館長の講演を聞く機会があった。テーマは「大工道具の歴史とものつくり」。新神戸駅隣に立地する「竹中大工道具館」は建築関係者なら一度は訪ねておきたいところ。建築士会の会報誌「建築士」でも昨年6月から12月にかけ…

地震の記憶

熊本地震の揺れがなかなか収束しない。今回の地震は、最初の前震では直下型断層地震ということで建物被害は地域限定的だったが、その後に大きな本震が襲い、前震で緩んだ建物が崩壊するという被害が多数起きている。今後の余震でさらに崩壊する建物が増えな…

既存ストックの福祉的活用

数週間前に「既存ストックの福祉的活用」について、金城学院大学の加藤準教授の講演を聞く機会があった。先生は建築計画が専門で、自ら設計したケアホームやデイサービスセンターの紹介をされた後、地域包括ケア時代の福祉施設について説明があった。ここで…

空き家の管理・活用について考える。

先日、都市住宅学会東海支部の公共住宅部会で空き家問題について議論が盛り上がった。空き家対策と言えば除却と活用が二本柱として掲げられる。先日施行された空き家特措法では老朽化した特定空き家への対策が主に強化されたが、一方で活用の促進も重要と言…

孤立死対策は回覧板が一番! そして、民間型シルバーハウジングについて考えた。

先日友人と話していたら、彼の町内で孤立死があったという話になった。ちょうど彼の家が町内会の役員(班長)に当たっていて、回覧板を回したが、いつまで経っても帰ってこない。数軒先の方に聞くと「うちにはまだ回っていないよ」という返事。どうやら一人…

住宅リフォームにあたり耐震化を目指さない世帯が増えている?

名城大学の高井先生を中心に住宅リフォーム産業の動向などを研究する会のメンバーに加えてもらっている。先日は愛知ゆとりある住まい推進協議会が実施している「わが家のリフォームコンクール」の応募作品を対象に住宅リフォームの傾向について分析した結果…

人口減少期は持ち家の時代?

先日テレビを見ていたら、芸人の「小島よしお」が幼稚園児などに大人気で子供向けのイベントで引っ張りだこだと紹介していた。主な営業先の一覧が提示され、その中に名古屋近郊の住宅展示場があってびっくりした。最近、ハウスメーカーの方と話す機会があり…

金沢市の歴史的建物を活かしたまちづくり

都市住宅学会中部支部恒例の総会・講演会に参加した。今年の講師は金沢大名誉教授の川上光彦氏。先生は金沢市出身で、京大で学んだ後、郷里の金沢大に赴任し退官したという金沢一筋の方だ。達磨さんのような茫洋とした風貌はさすが加賀百万石の風情を感じさ…

空き家対策と活用促進

少し前に一般社団法人地域問題研究所開催の「空き家問題の見通しと対策~空き家の有効活用策」というセミナーに参加した。忘れる前にメモを起こしておこう。 講師は3名。まず、富士通総研の米山秀隆氏。空き家問題についての著書もあるこの分野の第一人者だ…

サービス付き高齢者向け住宅は「住宅」なのか、「施設」なのか

先日、サービス付き高齢者向け住宅を調査した名古屋大学のM生、Hさんの発表を聞く機会があった。昨年5月時点で登録されていた愛知県内のサービス付き高齢者向け住宅174件5994戸を対象に、立地や家賃・サービス料、住宅の形態(専用設備の状況)などを変数に…

住宅地における多様性の獲得

東京大学の大月教授の講演を聞きに行った。大月教授と言えば昨年「近居」を出版した。これを読んで、近居の実態や意義についてきちんと評価し、住宅政策に反映していくことが必要ではないかと思った。そういう意味で大いに期待して講演会に参加した。しかし…

あけましておめでとうございます。

リニアで名古屋が変わる

住宅金融支援機構東海支店の講演会があったので参加した。講師は明治大学専門職大学院長の市川宏雄氏。講演のタイトルは「リニアが日本を改造する本当の理由~リニアで名古屋が変わる」。リニア中央新幹線開業による名古屋圏への影響について様々な資料を元…

名古屋城の秘密

本丸御殿の整備が着々と進む名古屋城。先日は昨年5月から一般公開されている玄関と表書院の見学記を投稿したところだが、今度は考古学の先生による「名古屋城の秘密を読み解く」と題する講演会を聞きに行った。 講師となっていただいたのは奈良大学学長の千…

リバース・スプロールにいかに対応すべきか

名古屋では今、リニア中央新幹線の2017年度東京―名古屋間開通に向けて、地域活性化への期待が高まっている。開業後の2030年における名古屋圏の都市と住まいのあり方について、二人の研究者に話を聞いた。一人は成長管理型都市計画を研究しているM氏。もう一…

「これからの防災まちづくり」は情報共有と超ポジティブ思考

東京大学生産技術研究所の加藤孝明准教授の講演を聴く機会があった。その超ポジティブな発想に驚愕した。 講演のタイトルは「防災の基本とこれからの防災まちづくり」。最初に先生が専門とする「地域安全システム学」(先生曰く、東大生産技術研究所では一人…

消費税増税駆け込み完了検査への対応準備は大丈夫?

住宅業界は消費税増税後のすまい給付金が10月1日に閣議決定され、駆け込み建設もようやく収まってきた感じだが、それでも今年上半期の住宅建設戸数はけっこうすごいことになっている。11月29日に公表された最新の建築着工統計調査報告によれば、今年度上半期…

準備運動が不十分な者は懲戒処分!?

建築士会連合会の機関紙「建築士」に、国土交通省からの「建築士の定期講習未受講者に対する懲戒処分について」と題する「お知らせ」が掲載されていてびっくりした。日本建築士事務所協会連合会のHPにも同じ文章が掲載されているので、建築士関係の団体に周…

一家に一台、車椅子! 人にやさしい街づくりセミナーin田原に参加して思ったこと

先日土曜日に田原市で開催された「人にやさしい街づくり地域セミナー『出掛けたくなる街in田原』」に参加した。当日は冒頭の挨拶や説明の後、参加者が6つのグループに分かれて、それぞれ別々に定められたコースに従って街に出掛け、課題や改善点等を点検する…

高齢期の住まいと地域包括ケア

(公社)都市住宅学会中部支部主催の講演会に行ってきた。講師は日本社会事業大学専門職大学院准教授の井上由起子さん。先生は建設会社勤務等を経て、旧国立医療・病院管理研究所、国立保健医療科学院に在籍。2012年より現在の大学院に所属している。厚生労働…

住宅セーフティネットの実態と論点

「住宅政策のどこが問題か」や「都市の条件」などの著作がある神戸大の平山教授に名古屋までお越しいただき、「住宅セーフティネットの実態と論点」と題して講演をしていただいた。約1時間、先生からお話をいただき、残りの1時間で意見交換をしたという感じ。…

公営住宅は必要管理戸数ではなく年間募集戸数を重視すべき

公営住宅に関わる仕事をしていると、「いったい公営住宅は何戸必要なんだ」と聞かれることがよくある。若い頃には、「収入基準が所得階層の下から1/3(当時)で設定されているから、総戸数の1/3ですよ」なんて答えていたが、現実には5%位しかないか…

愛知見守り大家さんの実態について

公益社団法人愛知共同住宅協会は名古屋・豊田地域で賃貸住宅経営を行っている事業者が集まり、昭和52年に設立された団体だ。全国連合組織である公益社団法人全国賃貸住宅経営者協会連合会の下部組織でもあり、同種の地域組織としては、公益社団法人東京共同…

愛知県の高齢者居住安定確保政策の現状

都市住宅学会中部支部公共住宅部会で愛知県の高齢者居住安定確保政策の現状について聴く機会があった。愛知県では平成24年3月に愛知県高齢者居住安定確保計画を策定しているが、その内容の説明とともに、計画策定とほぼ同時に開始されたサービス付き高齢者向…

伊勢の式年遷宮と伝統技術の継承

今年は20年に一度の伊勢神宮式年遷宮の年である。伊勢市にある皇學館大學文学部の岡田教授から伊勢神宮の式年遷宮に係る話題についてお話を伺った。 そもそも伊勢神宮とは、という話題から入るが、創紀は内宮の皇大神宮が297年、外宮の豊受大神宮が478年。皇…