まち遊び日記

東日本大震災と住宅の耐震化

4月以降、忙しい毎日が続き、なかなか落ち着いてブログを書いている時間が持てない。3月11日に地震が発生して以来、はや3ヶ月が過ぎようとしている。最初のうちはガソリン不足などもあり、現地に近付くことすら難しい状況だったが、最近は専門家からの調査報…

高齢者は住み替えねばいけないのか

立命館大学の大垣先生が中心となり、主に郊外住宅地の持家に居住する高齢者を対象に、その住宅を借り上げ、若年世帯に転貸しつつ、高齢者に移住先を紹介する住み替え支援事業が始まったのはいつのことだったか。2006年には、「一般公益法人 移住・住みかえ支…

人口減少時代の災害救援と復興計画

仮設住宅の建設が難航している。適当な用地がない、資材が入らない、労働者が確保できないなど、その原因は次第に変化してきている。厚労省の仮設住宅建設に係る補助額は戸当たり250万円程度だが、聞くところによると、今回は寒冷地仕様のための断熱材やエア…

田原市へ「農業ごと疎開」の勧め

田原市のまちなか整備の方向を検討する研究会が開かれた。学識者の方々がさまざまなビジョンや方策を話され、地元の方も旺盛に応えられ、活気のある時間だった。私もつまらない字句の修正指摘に加え、いくつか思いついたことをしゃべった。みんなもそうだが…

国は早急に疎開対策を検討せよ!

福島原発の被害が広がっている。今後の状況は予断を許さないが、既に福島県民全体の自主的な疎開が始まっている。今後は首都圏でも西日本に実家を持つ女性や子供の疎開が始まるはずだ。政府は、福島原発による影響を最小限に抑える努力をしていることもあり…

高齢者の住み替えは善か?

「高齢者の住まい」として最近、高齢者専用賃貸住宅が取り上げられることが多い。バリアフリー仕様は当然として、見守りや生活支援サービス等が付いた「安心できる住まい」という触れ込みである。生活支援サービスは応益加算としても見守りサービスのための…

公営住宅に併設された地域拠点施設

都市住宅学会中部支部公共住宅部会で「公営住宅に併設された地域拠点施設」に関する研究報告を拝聴した。修士論文研究の報告である。この研究は全部で3つに分かれており、「その1」で全国17事例の現状分析、「その2」が開設場所に特徴のある4事例の分析。そ…

日本式都市計画に問われるもの

愛知県知事選挙に元衆議院議員の大村秀章氏が当選した。その前日、ある都市計画研究者から「市街化調整区域の規制を骨抜きにしようとしている大村氏のマニフェストは許せない」という言葉を聞いた。大村氏のマニフェストには「市街地緑辺集落制度の導入など…

居住福祉におけるバウチャー・システム

日本福祉大の丸山教授に話を伺った。内容は「居住福祉のバウチャー・システム」。先生には5年前にお会いした時から「アメリカ型の住宅バウチャー制度の導入が必要」という持論をお聞きしていたが、当時は「バウチャー?What?」という状態で、全く理解できな…

「スクラップ&ビルド&メンテナンス」と「公共賃貸住宅の100年経営」

ずいぶん前の話題で恐縮だが、建設通信新聞の元旦号に著名学識者へのインタビュー記事がいくつか掲載されていた。そのなかで、経済学者の松谷明彦氏の主張が目を惹いた。 興味を持った部分は次の二つ。(1)減少する人口局面において、最適な都市規模なんても…

持家政策を評価する視点と公共住宅の役割

藻谷浩介の「デフレの正体」の中に、「公営住宅と持家対策の2段階方式で成功した戦後の住宅政策を見習った医療福祉制度の構築」という提案がある。建築・都市計画関係者からはすこぶる評判の悪い日本の住宅政策を成功例として評価している点が気になっている…

非営利住宅セクター(社会的企業)による住宅供給と英米住宅政策比較

都市再生機構都市住宅技術研究所を今年の7月に退職。今は法政大学兼任講師として教壇に立つ海老塚良吉氏に、「非営利住宅セクターによる住宅供給(日本と欧米の状況)」と題して講演をしていただいた。 海老塚氏には昨年の11月に「民間非営利組織による住宅…

公共住宅団地の高齢化を考える

世の中「高齢化ばやり」である。年金問題、介護福祉の問題、地域の衰退・・・。さまざまな事柄が高齢化に結びつけられて問題とされている。それはある意味、事実だが、それを課題と考えるかどうかは、課題視する側の事情や意識に拠る。事象に伴う将来像を描…

分譲マンションは今後どうなるのか?

都市住宅学会中部支部主催、研究交流会「分譲マンションは今後どうなるのか?-時代の変化が予想する成立と存続の条件」を聴いてきた。講師は、元高崎健康福祉大学大学院教授・元国立公衆衛生院住宅衛生室長の松本恭治氏。既にこれらの役職から退職され自由…

「オランダの社会住宅」訳者の角橋氏に聴く

「オランダの社会住宅」の訳者で「オランダの持続可能な国土・都市づくり」の著者である角橋徹也氏の講演を聴く機会があった。私が幹事を務める都市住宅学会東海支部公共住宅部会主催の講演会の講師になっていただいたもので、角橋氏へのアポイントメントか…

建築士2010年8月号から 「斜面住宅」と「建築士試験」

先に、愛知建築士会の会報から目に止まった記事を引用したので、今度は日本建築士会連合会の会報「建築士」から。目に止まったのは2つ。一つは巻頭のOPINIONから鮫島和夫先生の「高層住宅VS斜面住宅 どちらが安全安心?!」。もう一つは速水清孝氏の連載講座…

ドイツの省エネリフォーム政策

愛知建築士会の会報「愛知の建築」に、前々号から、ドイツ在住の環境ジャーナリスト・村上敦氏による建築講座「省エネを進めるドイツの建築」が連載されている。3回目の2010年8月号は、「ドイツ既築のリフォームの現状と制度について」。 環境対策については…

マンションの課題

都市住宅学会中部支部講演会は、「ストック活用社会における住まいづくりを考える」と題して、京都大学名誉教授・三村浩史先生が話される予定であった。が、講演会前日、急遽、先生が来名できなくなり、地元の3先生によるマンション問題に関する研究発表会に…

第17回愛知まちなみ建築賞

愛知まちなみ建築賞の表彰式が愛知芸術文化センターで開催された。会場に空きがあるので何人か出てくれないかと言われ、翌日が休みのこともあり、午前中で何とか仕事にキリをつけ出席した。 今年度の受賞は全部で7点。主催者あいさつ、表彰式、選考委員長で…

地域の再生は地域力による。住宅市場は誰が整備する?

第5回あいち住まい・まちづくり研究会は「地域戦略」をテーマに、愛知大学三遠南信地域連携センターの黍島先生から「中山間地の居住と定住」、名古屋大学小川准教授から「地域戦略としての中古・賃貸市場の整備」について報告・提案があった。 前半の黍島先…

大家さんに期待 そして、住宅施策と福祉施策の連携について考える

第4回あいち住まい・まちづくり研究会が開かれた。今回の報告者は、弁護士の杉本みさ紀さん、日本福祉大学の児玉教授及び名古屋大学の生田准教授の3名。テーマは「セーフティネット」と「高齢者等の安定居住」で、前者を前2名が、後者を生田准教授が担当した…

■都市は如何に縮小されるか-若しくは、立地はいつまで都市を支配するか

「第3回あいち住まい・まちづくり研究会」に参加してきた。この研究会は、愛知県が主催し、住まい・まちづくり関係の各課題について、毎回、テーマに応じた講師を招き、報告を聞き、意見交換をしているもの。今回のテーマは「都市(まちなか)・郊外住宅地…

日本と欧州における社会住宅のストック・フローの差から考える持家政策を見直すべき理由

住宅供給は社会主義国でもない限り、原則として民間が経済活動として行うものだと思ってきた。しかし、「民間非営利組織による住宅事情」について研究報告をされた海老塚良吉氏の論文「英米独仏における社会住宅の供給組織の動向:1998年度都市住宅学会」(…

地方分権とナショナル・ミニマム

地方分権改革推進委員会が公営住宅の入居基準を地方で独自に定めることができるよう改正するよう勧告を出した。当初、単身者入居も認める方向で報道されていたが、最近は収入基準も地方で定める方向の議論が出ているようだ。 先日の都市住宅学会のワークショ…

公営住宅自治会支援ビジネスを始めませんか

公営住宅の入居者が高齢化、低所得化し、自治会の運営が困難になってきている。UR賃貸住宅などでは、家賃の中に共益費相当分も含まれているため、入居者は家賃さえ払っていれば、共用部分の清掃やエレベータの管理などは住宅事業者がやってくれる。URであれ…

学会大会というものに参加して

私は学部卒で、卒業論文も書かずに(卒業設計だけで)卒業したので、学会大会なぞトンと縁がなかった。就職後、必要があって(というか、恥ずかしいことに、割引価格で参考書籍が購入できるという特典につられて)建築学会に入会し、誘われて見学会や講演会…

公共住宅の課題と再生

11月27~29日で都市住宅学会大会(名古屋)が開かれ、最終日の最後のプログラムの一つで、ワークショップ3「公共住宅の課題と再生(理念・事業・制度)」が開催された。コーディネーターを東海学園大学の三宅先生が務め、パネリストは国土技術政策総合研究…

民間非営利組織による住宅供給と貧困ビジネス

「民間非営利組織による住宅事情」に関する研究報告を聞いた。都市再生機構都市住宅技術研究所の海老塚氏による講演で、海老塚氏の執筆で3月に発行された同名の書籍をベースにした話。もっとも、本書を私はまだ読んでいないし、海老塚氏の講演も、民間非営利…

住宅施策の鬼っ子 公営住宅の行く末

最近つくづく感じるのは、公営住宅は戦後住宅施策が生んだ最大の鬼っ子だということである。戦後住宅施策の三本柱と言えば、住宅公団、住宅金融公庫と公営住宅である。そしてそれらを計画論的に支えたのが住宅建設計画であったというのが、一般に言われる戦…

環境の時代と住まいの可能性

木造住宅を中心に活躍する建築家・三澤文子氏の講演会があったので参加した。三澤氏は奈良女の物理学科を卒業後、専門学校で建築を学びんだという異色の建築家。その後、藤本昌也氏が主宰する現代建築研究所で民家型構法を学び、夫の三澤康彦氏とともにMs建…

まちづくりのツボ教えます

5日開催されたまちづくりシンポジウムに参加した。講師は近畿大の久隆浩教授。「まちづくりのツボ教えます」とは何ともベタな演題。若干のいかがわしさを感じつつ、あまり期待せずに参加。最近の疲れもあり、冒頭はうつらうつらしていたが、途中から面白さに…

郊外住宅団地再生研究会

(社)地域問題研究所が呼びかけて、「郊外住宅団地再生研究会」が開催された。人口減少社会における郊外住宅団地(ニュータウン)が抱える問題や課題を共有し、「魅力の維持や再生に向けた取り組みについて、地域住民の活動と行政施策の両面から検討」しよう…

減災のまちづくりと建築の危機管理

防災まちづくりの第一人者、室崎益輝先生の講演会があったので参加した。ちなみに室崎先生の今の肩書きは関西学院大学総合政策学部教授。高名な先生でもなかなか再就職には苦労されているようだ。それはさておき・・・。 いつも都市計画に関する話題が尻切れ…

ニュータウンの再生-行政とまちづくりの論理

4月25日(土)に(社)都市住宅学会中部支部の講演会が開催された。テーマは「ニュータウンの再生」。内容は、「高蔵寺ニュータウンの現状と再生に向けた取り組み」についてNPO法人高蔵寺再生市民会議代表の曽田忠宏氏から、「桜ヶ丘ハイツにおける住民主導の団…

住宅手当制度の創設

欧米では住宅困窮者に対する施策として住宅手当の支給が一般的である。日本では昭和26年に公営住宅制度が創設されて以来、低所得者向けには低家賃の住宅を直接供給しており、住宅困窮者個人に直接住宅手当を支給することは行ってこなかった。この間、「石よ…

ハウジング&リフォームあいち2009

今年も「ハウジング&リフォームあいち2009」が開催される。今回は主催者である「愛知ゆとりある住まい推進協議会」が設立20周年ということで、例年にも増して盛大なイベントとなっているはず。「エコな住まいで快適ライフ」をテーマに、エコリフォームや太…

英国の社会的住宅制度に学ぶ

世界の公営住宅施策シリーズ、第3弾はイギリス。中京大学の岡本祥浩教授にお話を伺った。 イギリスと言えば、サッチャー政権下の公営住宅の払い下げが有名だ。この背景として、「国民が持ち家所有を望んでいる」というのが公式には政府見解だそうだが、ロン…

地域と大学の連携まちづくり

(社)都市住宅学会中部支部の講演会に行く。講師は名古屋大学の小松先生。演題は「地域と大学の連携まちづくり~住環境の創生・再生事例を中心に」。先生も執筆者の一人として参加し、最近発行された「地域と大学の共創造まちづくり」からの紹介が主な内容だ…

一時のシェルター対策が住宅施策を混乱に陥れる恐れ

離職退去者に対する住宅提供ということで、公営住宅を提供する動きが年末から全国の自治体で始められている。派遣切りにより寮を追い出された離職退去者は若中年単身者が多いということで、本来、世帯向けと単身高齢者等しか入居対象としていなかった公営住…

景観を発見する

建築雑誌は昨年から二つの特集を設定しているのだそうだ。そういえばそうだったっけ。2009年1月号の第一特集は「新景観」。工場やダム等の土木構造物、団地など、機能第一で建設されてきた構造物に「景観」を感じ取り、ネットでの情報交換や写真集の発行、見…

住宅瑕疵担保履行法を考える

「建築ジャーナル 2008年12月号」が「住宅瑕疵担保履行法、素朴な疑問」と題した特集記事を組んでいる。建築ジャーナル誌は、行政に対して批判的なスタンスを取ることを専門誌としての基本的な編集方針としているので(一方で巻末の建築最新事情で取り上げる…

デンマークの公営住宅制度

愛知教育大学の小川正光先生からデンマークの公営住宅制度について話を伺った。先生は数年前にデンマークへ留学し、今年も調査訪問をされているが、今回はデンマークの公営住宅法の話が中心である。その前段で、デンマークの自治制度や住宅事情について伺う…

「200年住宅」法に対する危惧

「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」いわゆる「200年住宅」法が成立した。2月に閣議決定したものの、今春の波乱国会の中で継続審議となり、ようやく11月28日の今国会で成立した。さすがに法文には「200年住宅」ではなく「長期優良住宅」としているが、…

韓国における集合住宅供給とリモデリング

都市住宅学会中部支部の講演会で、椙山女学園大学客員研究員にして、韓国で大韓住宅公社住宅都市研究員研究委員や韓国建設交通省中央建設技術審議委員などの要職を務めてきた趙美蘭(Jo Miran)氏から、韓国の集合住宅供給のこれまでの経緯と、氏が提唱し韓…

若者が希望を持てる社会づくり

「少子社会日本」や「希望格差社会」などを著し、報道ステーションなどのTVでも活躍する社会学者の山田昌弘氏の講演を聴いてきた。「若者が希望を持てる社会づくり」というタイトル。 「希望」とは精神的なものであり、お金の多寡に左右されるものではない。…

オーストラリアの公共住宅施策

今年度、都市住宅学会中部支部の中に公共住宅部会が設置され、公営住宅を始めとする公共住宅制度の抱える課題や将来的なあり方等について検討を始めている。先週はオーストラリアのニューサウスウェールズ州における公営住宅施策について、話を伺った。報告…

不正と裏金

愛知県、岩手県を始め、多くの都道府県で、不正経理と裏金作りが行われていた、という報道には正直びっくりした。しかし、よくよく報道を読み聞きしてみると、国庫補助金についての会計検査で、補助の本体事業に伴い支給される事務費において、本体事業と直…

公営住宅と貧困系ニート

先日、子供の権利条約等の活動をしているNPOの方から、公営住宅における子供の実態について話を聞く機会があった。非常に衝撃的な話で、公営住宅のあり方を考えるにあたり、無視できない内容だったので、ここに概要を紹介しようと思う。 まず驚いたのは子…

市全域 避難勧告

昨日の豪雨はすごかった。わが家は先週の落雷でドアホンに外灯、湯沸し器と一部のパソコンがいかれてしまい(Homepageが更新休止中なのはそのせいです)、未だにテンヤワンヤしていることもあり、落雷のすごさに恐れをなしていたが、一夜明けてみれば、岡崎…

あいちまちづくりシンポジウム「地域が担うまちづくり・まちおこし」

毎年6月のまちづくり月間に合わせて、国交省中部地方整備局と愛知県、名古屋市等が共催してシンポジウムが開催されている。今年(6月10日)は、最近活発に活動している豊川稲荷門前のまちづくりについて聞けるというので、参加した。 基調講演は「地域と…