まち遊び日記

住宅政策の未来?

これまでもこのブログに書いてきたことのように思うが、いつ書いたか検索するのも面倒だし、最近思ったことということで改めて書き留めておきたい。 しばらく前に、愛知県内のシルバーハウジングでLSA(生活援助員)を務める方たちや市町の福祉部局、LSA派遣…

地域の豊かさの意味と公共政策

「住民の幸福とは-地域の豊かさの意味と公共政策」と題する講演会に参加した。講師は前半が千葉大法経学部の広井良典教授。後半は公益財団法人荒川区自治総合研究所の二神所長。 まず、広井先生からは「地域の豊かさの意味と公共政策-ポスト成長時代の社会…

東日本大震災への住宅行政の対応と平時の備え ~ 仮設住宅中心を改め、仮設避難施設を供給し恒久住宅対策に重点を移すべき

先日開催された公共住宅部会は意見交換の後半で刺激的な提案が飛び出し、活気と興奮に満ちた研究会となった。基調報告は中部地方整備局の宮森住宅整備課長。ブログ記事と同じタイトルで1時間以上にわたり、東日本大震災への住宅行政の対応と自ら岩手県で応急…

社会学と都市計画の違い

先日読んだ「限界集落の真実」は面白かった。筆者の山下氏は青森県等で集落調査をすると同時に、集落の再生活性化について住民と一緒になって考えた。先進県視察に同行し、集落の人々の「うちの女の人たちなら、もっといい味出すな」という言葉がきっかけと…

北海道の移住・定住政策

豊橋技術科学大学の谷先生から 、北海道の各市町村で実施されている移住・定住政策についてお話を伺った。以下、簡単にメモを残すが、資料配布はなかったので間違いはご容赦いただきたい。 北海道では、道主導の下、道内の市町村が参加して、平成17年度に北…

高齢者から「つながる」

先日、高齢者住まい計画関連の会議で、興味深い話を聞いた。委員の一人、K先生が最近経験したこととして、「ある一人住まいの男性から近所の人々に『私はこういう者でけっして悪い人間はないので、万一のときはよろしく』といった内容のチラシが配られた」と…

最近の大学建築学科の研究室選び

名古屋大学の恒川先生がfacebookで、意匠・計画・都市系の研究室の4年生配属が少ないと嘆かれて、ひとしきり話題になっていた。 実は娘はその3年生に在学しており、まさに計画系を選択しなかった一人なので、学生側からの話も含めた現状と感想を一言。 とい…

名古屋市都市計画マスタープランを考える

名古屋市の都市計画マスタープランが昨年末に決定・公表された。なかなか面白いという話を聞いていたが、先日、名古屋市の職員の方をお迎えし、内容について伺う機会があったので参加した。名古屋市都市計画マスタープランの内容については名古屋市のHPに掲…

ワールドカフェ方式

大勢の人々の参加と合意の下で計画策定などを進める手法として、ワークショップを開催するということはもうほとんど当たり前な手法として実施されている。もちろん何でもワークショップをすればいいわけではなく、目的に応じて適当な方法で行うことが大事な…

公営・URにおける外国人居住問題

都市住宅学会中部支部公共住宅部会で、法政大学兼任講師・NPO法人かながわ外国人すまいサポートセンター理事の稲葉佳子さんから公営・URにおける外国人居住問題について話を伺った。先生は新宿区新大久保をフィールドに外国人居住問題について研究を重ねてき…

高蔵寺ニュータウンの未来像

(社)都市住宅学会中部支部住宅再生部会が主催して、「高蔵寺ニュータウンの未来像」と題するシンポジウムが開催された。冒頭、椙山女学園大学の村上先生からあいさつを兼ねて、多摩・千里と比較しつつ高蔵寺ニュータウンの概略説明があった後、基調講演とし…

新たな担い手たちが共に創り育てるまち

6月8日に開催された「あいちまちづくりシンポジウム」は、「新たな担い手たちが共に創り育てるまち」をテーマに、地域住民が主体となったまちづくりを実践している名古屋学院大学の水野教授と、NPO法人岡崎まち育てセンター・りた事務局長の三矢氏が講師とな…

国・地方・政治家の役割 復興の進め方を考える

土曜日に放送されたNHKスペシャル「シリーズ東日本大震災 第1部 復興はなぜ進まないのか ~被災地からの報告~」を少しずつ見ていっている。ようやくながら宮城県では復興への模索が始まったことが報告されていた。その中で、「国の復興方針が示されないので…

シンポジウム「東日本大震災から学ぶ」

6月11日に名古屋大学で震災関連シンポジウム「東日本大震災から学ぶ」が開催された。一般市民向けの無料公開シンポジウムということで、妻と一緒に参加してきた。濱口総長、佐分副総長の開会・閉会の挨拶に挟まれて、専門の異なる7名の先生方から様々な報告…

東日本大震災と住宅の耐震化

4月以降、忙しい毎日が続き、なかなか落ち着いてブログを書いている時間が持てない。3月11日に地震が発生して以来、はや3ヶ月が過ぎようとしている。最初のうちはガソリン不足などもあり、現地に近付くことすら難しい状況だったが、最近は専門家からの調査報…

高齢者は住み替えねばいけないのか

立命館大学の大垣先生が中心となり、主に郊外住宅地の持家に居住する高齢者を対象に、その住宅を借り上げ、若年世帯に転貸しつつ、高齢者に移住先を紹介する住み替え支援事業が始まったのはいつのことだったか。2006年には、「一般公益法人 移住・住みかえ支…

人口減少時代の災害救援と復興計画

仮設住宅の建設が難航している。適当な用地がない、資材が入らない、労働者が確保できないなど、その原因は次第に変化してきている。厚労省の仮設住宅建設に係る補助額は戸当たり250万円程度だが、聞くところによると、今回は寒冷地仕様のための断熱材やエア…

田原市へ「農業ごと疎開」の勧め

田原市のまちなか整備の方向を検討する研究会が開かれた。学識者の方々がさまざまなビジョンや方策を話され、地元の方も旺盛に応えられ、活気のある時間だった。私もつまらない字句の修正指摘に加え、いくつか思いついたことをしゃべった。みんなもそうだが…

国は早急に疎開対策を検討せよ!

福島原発の被害が広がっている。今後の状況は予断を許さないが、既に福島県民全体の自主的な疎開が始まっている。今後は首都圏でも西日本に実家を持つ女性や子供の疎開が始まるはずだ。政府は、福島原発による影響を最小限に抑える努力をしていることもあり…

高齢者の住み替えは善か?

「高齢者の住まい」として最近、高齢者専用賃貸住宅が取り上げられることが多い。バリアフリー仕様は当然として、見守りや生活支援サービス等が付いた「安心できる住まい」という触れ込みである。生活支援サービスは応益加算としても見守りサービスのための…

公営住宅に併設された地域拠点施設

都市住宅学会中部支部公共住宅部会で「公営住宅に併設された地域拠点施設」に関する研究報告を拝聴した。修士論文研究の報告である。この研究は全部で3つに分かれており、「その1」で全国17事例の現状分析、「その2」が開設場所に特徴のある4事例の分析。そ…

日本式都市計画に問われるもの

愛知県知事選挙に元衆議院議員の大村秀章氏が当選した。その前日、ある都市計画研究者から「市街化調整区域の規制を骨抜きにしようとしている大村氏のマニフェストは許せない」という言葉を聞いた。大村氏のマニフェストには「市街地緑辺集落制度の導入など…

居住福祉におけるバウチャー・システム

日本福祉大の丸山教授に話を伺った。内容は「居住福祉のバウチャー・システム」。先生には5年前にお会いした時から「アメリカ型の住宅バウチャー制度の導入が必要」という持論をお聞きしていたが、当時は「バウチャー?What?」という状態で、全く理解できな…

「スクラップ&ビルド&メンテナンス」と「公共賃貸住宅の100年経営」

ずいぶん前の話題で恐縮だが、建設通信新聞の元旦号に著名学識者へのインタビュー記事がいくつか掲載されていた。そのなかで、経済学者の松谷明彦氏の主張が目を惹いた。 興味を持った部分は次の二つ。(1)減少する人口局面において、最適な都市規模なんても…

持家政策を評価する視点と公共住宅の役割

藻谷浩介の「デフレの正体」の中に、「公営住宅と持家対策の2段階方式で成功した戦後の住宅政策を見習った医療福祉制度の構築」という提案がある。建築・都市計画関係者からはすこぶる評判の悪い日本の住宅政策を成功例として評価している点が気になっている…

非営利住宅セクター(社会的企業)による住宅供給と英米住宅政策比較

都市再生機構都市住宅技術研究所を今年の7月に退職。今は法政大学兼任講師として教壇に立つ海老塚良吉氏に、「非営利住宅セクターによる住宅供給(日本と欧米の状況)」と題して講演をしていただいた。 海老塚氏には昨年の11月に「民間非営利組織による住宅…

公共住宅団地の高齢化を考える

世の中「高齢化ばやり」である。年金問題、介護福祉の問題、地域の衰退・・・。さまざまな事柄が高齢化に結びつけられて問題とされている。それはある意味、事実だが、それを課題と考えるかどうかは、課題視する側の事情や意識に拠る。事象に伴う将来像を描…

分譲マンションは今後どうなるのか?

都市住宅学会中部支部主催、研究交流会「分譲マンションは今後どうなるのか?-時代の変化が予想する成立と存続の条件」を聴いてきた。講師は、元高崎健康福祉大学大学院教授・元国立公衆衛生院住宅衛生室長の松本恭治氏。既にこれらの役職から退職され自由…

「オランダの社会住宅」訳者の角橋氏に聴く

「オランダの社会住宅」の訳者で「オランダの持続可能な国土・都市づくり」の著者である角橋徹也氏の講演を聴く機会があった。私が幹事を務める都市住宅学会東海支部公共住宅部会主催の講演会の講師になっていただいたもので、角橋氏へのアポイントメントか…

建築士2010年8月号から 「斜面住宅」と「建築士試験」

先に、愛知建築士会の会報から目に止まった記事を引用したので、今度は日本建築士会連合会の会報「建築士」から。目に止まったのは2つ。一つは巻頭のOPINIONから鮫島和夫先生の「高層住宅VS斜面住宅 どちらが安全安心?!」。もう一つは速水清孝氏の連載講座…