2008-07-01から1ヶ月間の記事一覧
筆者は、イタリア・パリで長く生活し、現在は大阪芸術大学の教授を務める「環境・建築芸術学」の先生である。「ヨーロッパの都市はなぜ美しいのか」の答えは、あとがきであっさりと書いている。「それは市民の美的なものへの関心が高いからである(P296)」。…
今、都市・建築に関するエッセイを書かせたら、誰が一番うまいだろうか。それほど多くの本を読んでいるわけではないが、橋爪紳也は関西の雄の一人と言えるだろう。この「ゆく都市 くる都市」は2006年度の1年間、毎日新聞に週に一度連載してきた文章をまとめ…
国宝・犬山城のお膝元の城下町に高層のビジネスホテル建設騒動が持ち上がり、犬山市に景観条例ができたのが平成5年。平成6年からの2年間、この街の景観まちづくりに多少とも関わったことがあったが(ほとんど何もできなかったが)、地元(市・住民)の努…
「あとがき」によれば、当初、出版社より「日本人論」というテーマを与えられ、筆者の専門に引き寄せ、集合住宅における「共同性」を主題に書き下ろしたという。それゆえか、司馬遼太郎や山本七平、丸山真男らを引用し、「日本教」に言及する部分や、政治学…