2023-01-01から1年間の記事一覧

建築思想図鑑☆

大学の講義で「建築思想」について学んだことがあるだろうか? 「西洋建築史」の講義で多少は触れられたか? 「建築論」の講義はあったが、何を学んだのだろう。もっとも私の時代はまだポスト・モダニズム以前であり、CIAM等の1920年代以降の流れや、黒川紀…

南海トラフ地震の真実☆

○静岡県から九州沖にかけてマグニチュード(M)8~9級の巨大地震が30年以内に「70~80%」の確率で発生するとされている南海トラフ地震。この数字を出すにあたり、政府や地震学者が別の地域では使われていない特別な計算式を使い、全国の地震と同じ基準で算…

新・建築職人論☆

本書とは関係ない話であるが、先日読んだブレンディみかこの「リスペクト―R-E-S-P-E-C-T」が良かった。他のブログでその感想は書いたが、ホームレス・シェルターの退去通知を受けた女性たちが公営住宅の空き家を占拠し、「居住の権利」を訴えるという実際に…

藤森照信の現代建築考

「現代建築考」というタイトルを見て、藤森照信もついに2000年代以降の建築の評論をするようになったかと早合点してしまった。いや、そうではない。最も早いのはウィリアム・ヴォーリズの「浮田山荘」。最も新しいのは筆者の設計になる「たねや ラ・コリーナ…

集合住宅

7年前に発行された本である。翌年には私も読んだ。当時の読書感想を読み返すと、しっかり本書の内容を理解していたことがわかる。大学の集合住宅に関する講義の最後に、本書を紹介していたが、実際どういう内容だったかというと、記憶が曖昧。そこで今回、読…

負動産地獄☆

筆者は不動産事業の専門家として、これまで空き家問題を中心に執筆をしてきた。具体事例が豊富なそれらの本はいずれも興味深いものだったが、本書は筆者の父親が亡くなり、相続を経験したからか、不動産を中心に相続制度について論じている。とは言っても、…

朽ちるマンション 老いる住民

朝日新聞デジタルで昨年2月から6月にかけて連載された記事を再構成したもの。老朽化するマンション。そして高齢化する居住者。その結果、様々な課題と問題を抱えるマンションの管理の実態については、ようやく一般紙でも取り上げられるようになってきた。昨…

団地と共生

芝園団地は首都圏では有名な中国人が多く住むUR団地らしい。団地における外国人問題に関心を抱いた筆者は2014年から芝園団地に住み始め、かつ自治会役員になり、日本人と外国人の交流や良好な住環境づくりに関わっている。しかし、交流イベントなどは自ら企…

ニュータウンに住み続ける

三浦展編ということで期待したが、あくまで三浦展は裏方。多摩ニュータウンで設計事務所「スタジオメガネ」を開設する建築家・横溝惇が三浦展に声をかけて始まった「世界の郊外展」でのトークイベントの内容を収録したもの。2018年12月から10回にわたって開…

13歳から考える住まいの権利

「13歳から考える…」とあるように、中高生向けの本である。一昨年から始めた大学講義の内容を確かめる目的もあって、本書を手に取ってみた。当たり前だが、非常にわかりやすく書かれている。自己流で構築した講義内容だったが、内容的には、私が大学で講義し…

限界ニュータウン

「限界ニュータウン」というタイトルからは、高度経済成長期、都心から遠く離れた地域で開発された中小の分譲住宅地で、入居者の高齢化や人口減少に伴い、空き家や空き地が発生している状況を想像させる。だが本書が紹介する住宅地はそんなレベルではない。…

あけましておめでとうございます