2008-01-01から1年間の記事一覧

地域は「自立」できるか

「はじめに」の冒頭、「この半世紀の間に、地方圏での生活は中小都市についても農山村についても、所得水準と生活環境の両方で確実に向上してきた。都市と地方の間には、統計でみる所得格差はあるが、一人あたり地域所得でみると先進諸国の中では格差が最も…

ニュータウン人・縁卓会議in高蔵寺

今年は春日井市政65周年にして高蔵寺ニュータウン入居開始40年目に当たる。こうした節目の時期に、多摩ニュータウン、千里ニュータウン、筑波研究学園都市と高蔵寺ニュータウンの居住者が一堂に集まり意見交換を行うイベント「ニュータウン人・縁卓会議」が…

鍼灸院談義—日本の暗い未来と医療制度

連休の狭間に体調を崩したところが五十肩を再発した。今度は今までほどにはひどくならなかったが、それでも3・4日とひたすら自宅で静養。グランパスは3連敗、ドラゴンズも負け越し。それで4日におなじみの鍼灸院へ行く。体調不良(胃腸風邪)とストレスが原…

環境共生住宅 シティファミリー志段味/県営山野田住宅

名古屋市が環境型社会対応住宅のモデルとして、芸術家・荒川修作をデザイナーに迎え建設した志段味循環型モデル住宅「シティファミリー志段味」。建設前からその奇抜なデザインはこの地域の専門家の注目を集めていたが、完成後も期間限定の試験入居募集を行…

郊外の社会学

先に読んだ「団地が死んでいく」では、「郊外団地を救うのはコミュニティ」という一般論が述べられていた。「コミュニティを再生する」とは耳に快い言葉だが、現代社会における郊外団地において「コミュニティ」とはなんだろうか。我々は郊外をいかに生きて…

団地が死んでいく

著者名を大山顕氏と勘違いして思わず手に取った。大山顕氏とは住宅都市整理公団のサイトで有名な団地マニアだが、こちらの大山眞人氏は老人問題など取り上げているノンフィクション作家。自ら市営住宅に居住し、最近団地内で発生した孤独死事件から団地の問…

名古屋都市圏の住宅と住宅地のいまとこれから

今年から都市住宅学会に入会した。もちろんその存在は知っていたが、設立時の経緯が国交省中心で声は掛かったもののしばらく様子見ということで数年が過ぎた。今回入会したのは、現会員のみなさんの強力な勧誘ということもあるけれど、その活動の活発さに惹…

地域の力

副題に「食・農・まちづくり」とあるように、国内の食や農を中心とする各地域の自立的なまちづくりを紹介している。全部で8章。第1章は島根県雲南市の酪農を中心とする地域自給のまちづくり。第2章は相生市、四日市などの商店街の取り組み。第3章は徳島…

東京の果てに

昨年2月に愛知県でも愛知県住生活基本計画が公表された。この作成に少なからず関わってきた立場から反省するに、この本をもう少し早く読んでいればよかった。もっとも2006年10月では既に各県も計画の内容はほとんど固まっていたに違いないし、そもそも国もそ…

負ける建築

負ける建築家・隈研吾が最近注目を集めている。それも一般誌で。遅ればせながらその魅力の一端を知りたいと、本書を手にしてみた。そして「はじめに」と第1章の「切断、批評、形式」で、その社会と建築を見抜く卓抜な視点に圧倒された。非常に面白い。最近読…

ハウジング&リフォームあいち2008

3月14日(金)から16日(日)までの3日間、名古屋市千種区吹上ホールで「ハウジング&リフォームあいち2008」が開催されます。今年のテーマは「住まいと暮らし」。特に「暮らし」にこだわった展示や催事がいくつか展開されています。例えば「田舎暮らし」と題し…

季刊まちづくり18

特集「コンパクトシティの戦略」。特別企画「移住・住み替え支援最前線」に惹かれて購入。 コンパクトシティ特集は、今話題の富山市、青森市に加え、山口市、小田原市の事例報告。さらに高松丸亀町のコミュニティ再投資会社の事例。巻頭は福川裕一先生による…

愛知の名建築10選

先日、BSで世界の名建築100選をやっていた。前後半各4時間の長い番組の中で、多様な視点から選定された世界各地の様々な建築物が100件紹介された。モデルのKIKIや中尾彬などのゲストが各地の建築物を取材した報告やアンガールズによる名建築クイズなどを交…

錯乱のニューヨーク

70年代末、アムステルダム生まれの建築家・レム・コールハースは一介の建築物も設計していない中で、メトロポリスと銘打った建築事務所OMAを開設し、この書を世に問う。マンハッタンは如何にしてメトロポリスとなったのか。マンハッタンをマンハッタンたらし…

高速道路料金

もう1年ほども前から隣の席に土木技術者が座っており、土木の世界のことをいろいろ教わっている。お互い当たり前と思ってきたことがそうでないことを思い知らされ面白いことこの上ない。昨年春先の鉄鋼スラグの野積みによる有害物質漏出事件や最近の道路暫定…

都市計画家M氏の半生

この地域の都市計画コンサルタントの嚆矢として活躍してきたM氏からその半生を聞く機会があった。M氏は私より10歳ほど上だが、知ったときには都市計画コンサルタントとして確固たる地位を築いていた。私などはほんのひよこで、HPなどを書き始めた最近に…

コールタール塗り隊、活動開始

常滑のやきもの散歩道で長期間にわたり継続的に活動をしている地元の散歩道の会の有志が「コールタール塗り隊」を結成し、散歩道内の建物の壁にコールタールを塗る活動を始めるそうです。 詳しくはこちらをごらんください。>>タウンキーピングの会

常滑やきもの散歩道から足を伸ばして

今回のつばき展はINAXライブミュージアムも会場の一つとしたため、散歩道から足を伸ばしてINAXライブミュージアムまで歩いてみた。散歩道の東南「栄町七丁目」に交差点から常滑西小学校の東側をトコトコと南に向かう。 と、黒壁の町家が並ぶ雰囲気のある通りに…

椿の頃、陶都とこなめに遊ぶ

2月2日(土)3日(日)の2日間、常滑やきもの散歩道でつばきをテーマに展示されたギャラリーを巡るイベント「椿の頃、陶都とこなめに遊ぶ」が開催された。前回は2年前に開催し、今回が2回目。私はこのイベントの主催団体「タウンキーピングの会」の一員として3日…

知多半田駅前 CLACITY HANDA

久し振りに名鉄知多半田駅に降り立ったところが、ホームから見られる景色が大変貌を遂げていてびっくりした。知多半田駅前地区市街地再開発事業が完了し、再開発ビル「クラシティ半田」が完成オープンしたことは知っていたが、こんなにすごいとは思っていな…

建築アルバム

古い建物、新しい建物。県内外の話題の建築物を見学に行った記録です。まとまった街並みを形成しているものは「まちなみ・あれこれ」にまとめています。 2007年以前の記録はこちらへ 2001年以前の記録はこちらへ

すまいづくり・あれこれ

通常の持家、借家等だけでなく、各地で様々な住まいづくりが実践されています。これらのうち、私が仕事で関わったり、興味を持ち設計者の方等から話を伺ったものをご紹介します。 なお、これらの住宅は現在まさに住人の方が住まわれています。訪問等なさると…

まちなみ・あれこれ

日本各地には様々なまちなみがあります。これらのまちなみを見学することは楽しいですね。私が訪れたまちなみのいくつかをご紹介します。 なお、これらの中には、主催者や建物所有者のご好意により敷地内・屋内へ入らせていただいたものもありますが、見学等…

まちづくり・あれこれ

各地で、住民が主体となったまちづくりが行われています。これらのうち、私が仕事で関わったり、見学会等で訪問して話を伺ったりしたものを紹介します。 なお、まちづくりは生きています。話を伺ったときと現在では状況が異なるものもあるかと思いますが、ご…

(遊)OZAKI組blogの開設にあたって

「携帯もISDNもないけどHPはある」というのがしばらく前の私の自慢だったが、携帯もADSLもつないで大分経つ。最近は「地デジはないWiiも光もないけどブログはある」と言っていたが、ついに光開通。コミュファにしたらniftyとは提携していないということで…

すまい・まちづくりノート

建築・都市計画・まちづくり関係のさまざまな本を読んできました。専門書もありますが、多くは一般向けの書籍・雑誌です。 それらの読書感想と特に記憶に残った部分の引用などを記録として残しています。 なお、2007年以前の記録はこちらへ。

椿の頃、陶都とこなめに遊ぶ

タウンキーピングの会 - 2008.2.2~3 - 椿・焼きもの・常滑をテーマに、生花・陶芸・アートの展覧会が同時開催 詳しくはこちらをどうぞ 椿の頃、陶都とこなめに遊ぶ

アメリカ西海岸諸都市・デザインガイドラインとデザインレビューボード

昨年9月にアメリカ西海岸の諸都市、サンフランシスコ、シアトル、ポートランド等を調査旅行されてきた先生からその概要をお聞きする機会があった。まずはスライドに映る街並みや住宅の美しさに目を奪われたが、その美しさもさることながら、先生が調査され…

ニュータウンの再生・活性化

戦後高度成長期に開発されたニュータウンの再生・活性化が昨今の大きな課題の一つとして取り上げられることが多くなってきた。千里ニュータウンの「千里すまいを助けたい!」や多摩ニュータウンの「フュージョン長池」などのNPO活動が注目され、国土交通…

黄色い忠誠心

正月に今年81歳になる義父からこの私家版論文集をもらった。プリントアウトして手製のB5版147ページの冊子。「忠誠」は従属や奴隷と同義語だとして、アメリカの星条旗への忠誠や企業の忠誠訓などを批判し、日本のアメリカへの隷属関係を批判する。こうした社…