まち遊び日記

一時のシェルター対策が住宅施策を混乱に陥れる恐れ

離職退去者に対する住宅提供ということで、公営住宅を提供する動きが年末から全国の自治体で始められている。派遣切りにより寮を追い出された離職退去者は若中年単身者が多いということで、本来、世帯向けと単身高齢者等しか入居対象としていなかった公営住…

景観を発見する

建築雑誌は昨年から二つの特集を設定しているのだそうだ。そういえばそうだったっけ。2009年1月号の第一特集は「新景観」。工場やダム等の土木構造物、団地など、機能第一で建設されてきた構造物に「景観」を感じ取り、ネットでの情報交換や写真集の発行、見…

住宅瑕疵担保履行法を考える

「建築ジャーナル 2008年12月号」が「住宅瑕疵担保履行法、素朴な疑問」と題した特集記事を組んでいる。建築ジャーナル誌は、行政に対して批判的なスタンスを取ることを専門誌としての基本的な編集方針としているので(一方で巻末の建築最新事情で取り上げる…

デンマークの公営住宅制度

愛知教育大学の小川正光先生からデンマークの公営住宅制度について話を伺った。先生は数年前にデンマークへ留学し、今年も調査訪問をされているが、今回はデンマークの公営住宅法の話が中心である。その前段で、デンマークの自治制度や住宅事情について伺う…

「200年住宅」法に対する危惧

「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」いわゆる「200年住宅」法が成立した。2月に閣議決定したものの、今春の波乱国会の中で継続審議となり、ようやく11月28日の今国会で成立した。さすがに法文には「200年住宅」ではなく「長期優良住宅」としているが、…

韓国における集合住宅供給とリモデリング

都市住宅学会中部支部の講演会で、椙山女学園大学客員研究員にして、韓国で大韓住宅公社住宅都市研究員研究委員や韓国建設交通省中央建設技術審議委員などの要職を務めてきた趙美蘭(Jo Miran)氏から、韓国の集合住宅供給のこれまでの経緯と、氏が提唱し韓…

若者が希望を持てる社会づくり

「少子社会日本」や「希望格差社会」などを著し、報道ステーションなどのTVでも活躍する社会学者の山田昌弘氏の講演を聴いてきた。「若者が希望を持てる社会づくり」というタイトル。 「希望」とは精神的なものであり、お金の多寡に左右されるものではない。…

オーストラリアの公共住宅施策

今年度、都市住宅学会中部支部の中に公共住宅部会が設置され、公営住宅を始めとする公共住宅制度の抱える課題や将来的なあり方等について検討を始めている。先週はオーストラリアのニューサウスウェールズ州における公営住宅施策について、話を伺った。報告…

不正と裏金

愛知県、岩手県を始め、多くの都道府県で、不正経理と裏金作りが行われていた、という報道には正直びっくりした。しかし、よくよく報道を読み聞きしてみると、国庫補助金についての会計検査で、補助の本体事業に伴い支給される事務費において、本体事業と直…

公営住宅と貧困系ニート

先日、子供の権利条約等の活動をしているNPOの方から、公営住宅における子供の実態について話を聞く機会があった。非常に衝撃的な話で、公営住宅のあり方を考えるにあたり、無視できない内容だったので、ここに概要を紹介しようと思う。 まず驚いたのは子…

市全域 避難勧告

昨日の豪雨はすごかった。わが家は先週の落雷でドアホンに外灯、湯沸し器と一部のパソコンがいかれてしまい(Homepageが更新休止中なのはそのせいです)、未だにテンヤワンヤしていることもあり、落雷のすごさに恐れをなしていたが、一夜明けてみれば、岡崎…

あいちまちづくりシンポジウム「地域が担うまちづくり・まちおこし」

毎年6月のまちづくり月間に合わせて、国交省中部地方整備局と愛知県、名古屋市等が共催してシンポジウムが開催されている。今年(6月10日)は、最近活発に活動している豊川稲荷門前のまちづくりについて聞けるというので、参加した。 基調講演は「地域と…

ニュータウン人・縁卓会議in高蔵寺

今年は春日井市政65周年にして高蔵寺ニュータウン入居開始40年目に当たる。こうした節目の時期に、多摩ニュータウン、千里ニュータウン、筑波研究学園都市と高蔵寺ニュータウンの居住者が一堂に集まり意見交換を行うイベント「ニュータウン人・縁卓会議」が…

鍼灸院談義—日本の暗い未来と医療制度

連休の狭間に体調を崩したところが五十肩を再発した。今度は今までほどにはひどくならなかったが、それでも3・4日とひたすら自宅で静養。グランパスは3連敗、ドラゴンズも負け越し。それで4日におなじみの鍼灸院へ行く。体調不良(胃腸風邪)とストレスが原…

名古屋都市圏の住宅と住宅地のいまとこれから

今年から都市住宅学会に入会した。もちろんその存在は知っていたが、設立時の経緯が国交省中心で声は掛かったもののしばらく様子見ということで数年が過ぎた。今回入会したのは、現会員のみなさんの強力な勧誘ということもあるけれど、その活動の活発さに惹…

ハウジング&リフォームあいち2008

3月14日(金)から16日(日)までの3日間、名古屋市千種区吹上ホールで「ハウジング&リフォームあいち2008」が開催されます。今年のテーマは「住まいと暮らし」。特に「暮らし」にこだわった展示や催事がいくつか展開されています。例えば「田舎暮らし」と題し…

愛知の名建築10選

先日、BSで世界の名建築100選をやっていた。前後半各4時間の長い番組の中で、多様な視点から選定された世界各地の様々な建築物が100件紹介された。モデルのKIKIや中尾彬などのゲストが各地の建築物を取材した報告やアンガールズによる名建築クイズなどを交…

高速道路料金

もう1年ほども前から隣の席に土木技術者が座っており、土木の世界のことをいろいろ教わっている。お互い当たり前と思ってきたことがそうでないことを思い知らされ面白いことこの上ない。昨年春先の鉄鋼スラグの野積みによる有害物質漏出事件や最近の道路暫定…

都市計画家M氏の半生

この地域の都市計画コンサルタントの嚆矢として活躍してきたM氏からその半生を聞く機会があった。M氏は私より10歳ほど上だが、知ったときには都市計画コンサルタントとして確固たる地位を築いていた。私などはほんのひよこで、HPなどを書き始めた最近に…

コールタール塗り隊、活動開始

常滑のやきもの散歩道で長期間にわたり継続的に活動をしている地元の散歩道の会の有志が「コールタール塗り隊」を結成し、散歩道内の建物の壁にコールタールを塗る活動を始めるそうです。 詳しくはこちらをごらんください。>>タウンキーピングの会

(遊)OZAKI組blogの開設にあたって

「携帯もISDNもないけどHPはある」というのがしばらく前の私の自慢だったが、携帯もADSLもつないで大分経つ。最近は「地デジはないWiiも光もないけどブログはある」と言っていたが、ついに光開通。コミュファにしたらniftyとは提携していないということで…

椿の頃、陶都とこなめに遊ぶ

タウンキーピングの会 - 2008.2.2~3 - 椿・焼きもの・常滑をテーマに、生花・陶芸・アートの展覧会が同時開催 詳しくはこちらをどうぞ 椿の頃、陶都とこなめに遊ぶ

アメリカ西海岸諸都市・デザインガイドラインとデザインレビューボード

昨年9月にアメリカ西海岸の諸都市、サンフランシスコ、シアトル、ポートランド等を調査旅行されてきた先生からその概要をお聞きする機会があった。まずはスライドに映る街並みや住宅の美しさに目を奪われたが、その美しさもさることながら、先生が調査され…

ニュータウンの再生・活性化

戦後高度成長期に開発されたニュータウンの再生・活性化が昨今の大きな課題の一つとして取り上げられることが多くなってきた。千里ニュータウンの「千里すまいを助けたい!」や多摩ニュータウンの「フュージョン長池」などのNPO活動が注目され、国土交通…

黄色い忠誠心

正月に今年81歳になる義父からこの私家版論文集をもらった。プリントアウトして手製のB5版147ページの冊子。「忠誠」は従属や奴隷と同義語だとして、アメリカの星条旗への忠誠や企業の忠誠訓などを批判し、日本のアメリカへの隷属関係を批判する。こうした社…

居住福祉の考え方

これは考察ではなくて、「住宅」2007年12月号からの引用。すなわち備忘録。元はさらにビデオや書籍からの引用。 これをこのまま日本の公営住宅のあり方に適用するのは無理があるとは思うが、どこかに糸口が隠されていないか? インド出身の経済学者アマルテ…

まち遊び日記

講演会へ行ったり、研究会での意見交換、日々の仕事やまち歩きの中で感じた事柄など、「まちなみ・あれこれ」や「すまいづくり・あれこれ」などのカテゴリーでは分類できないさまざまな記録を「まち遊び日記」としてまとめています。 なお、まちは生きていま…