2011-01-01から1年間の記事一覧

田原市へ「農業ごと疎開」の勧め

田原市のまちなか整備の方向を検討する研究会が開かれた。学識者の方々がさまざまなビジョンや方策を話され、地元の方も旺盛に応えられ、活気のある時間だった。私もつまらない字句の修正指摘に加え、いくつか思いついたことをしゃべった。みんなもそうだが…

三低主義

建築家・隈研吾と社会研究家の三浦展の対談本。両者ともここ10年近く注目してきた人たちだけに本書を読むのを切望していた。その期待にそぐわない興味深い本に仕上がっている。かつ読みやすくわかりやすい。 戦後建築家の第1世代と言われる丹下健三や第2世代…

国は早急に疎開対策を検討せよ!

福島原発の被害が広がっている。今後の状況は予断を許さないが、既に福島県民全体の自主的な疎開が始まっている。今後は首都圏でも西日本に実家を持つ女性や子供の疎開が始まるはずだ。政府は、福島原発による影響を最小限に抑える努力をしていることもあり…

高齢者の住み替えは善か?

「高齢者の住まい」として最近、高齢者専用賃貸住宅が取り上げられることが多い。バリアフリー仕様は当然として、見守りや生活支援サービス等が付いた「安心できる住まい」という触れ込みである。生活支援サービスは応益加算としても見守りサービスのための…

公営住宅に併設された地域拠点施設

都市住宅学会中部支部公共住宅部会で「公営住宅に併設された地域拠点施設」に関する研究報告を拝聴した。修士論文研究の報告である。この研究は全部で3つに分かれており、「その1」で全国17事例の現状分析、「その2」が開設場所に特徴のある4事例の分析。そ…

三河田原駅周辺のまちづくり

愛知県田原市は先進的かつ積極的に住宅施策やまちづくりに取り組んでいる自治体である。古くはHOPE計画に取り組み、市街地再開発事業に取り組み、中心市街地活性化対策に取り組んできた。以下のサイトは2004年9月に田原市を訪れた時のものだが、それ以前の記…

日本式都市計画に問われるもの

愛知県知事選挙に元衆議院議員の大村秀章氏が当選した。その前日、ある都市計画研究者から「市街化調整区域の規制を骨抜きにしようとしている大村氏のマニフェストは許せない」という言葉を聞いた。大村氏のマニフェストには「市街地緑辺集落制度の導入など…

有松の町並みを歩く

有松の高優賃を見た後で、有松の町並みを歩いた。 まずは、街道沿いを西に向かった。竹田中升荘の右向かいには山車蔵が、左向かいには玄関引き戸袖の腰壁をナマコ壁にした住宅がある。美しくはないが配慮はしている。しばらく歩くと竹田嘉兵衛邸がある。1階…

有松の古民家再生プロジェクト

旧東海道に面した有松は、江戸末期の町家がよく残り、歴史的な町並みとなっている。名鉄有松駅から街道を西へしばらく行ったところに、目的の中升竹田邸がある。いや、あったというべきか。 江戸末期と言われる旧町家は、かつては有松絞り関係の商家だったが…

居住福祉におけるバウチャー・システム

日本福祉大の丸山教授に話を伺った。内容は「居住福祉のバウチャー・システム」。先生には5年前にお会いした時から「アメリカ型の住宅バウチャー制度の導入が必要」という持論をお聞きしていたが、当時は「バウチャー?What?」という状態で、全く理解できな…

大塚女子アパートメント物語 オールドミスの館にようこそ

同潤会の大塚女子アパートメントは2003年に取り壊された。スクラッチタイルの柔らかな外観。中庭のやさしいデザイン。食堂や浴場、音楽室、日光室もある豊かな空間は、何度か写真で見たことがある。男子禁制のそのアパートでは、独身女性たちが快適な生活を…

「スクラップ&ビルド&メンテナンス」と「公共賃貸住宅の100年経営」

ずいぶん前の話題で恐縮だが、建設通信新聞の元旦号に著名学識者へのインタビュー記事がいくつか掲載されていた。そのなかで、経済学者の松谷明彦氏の主張が目を惹いた。 興味を持った部分は次の二つ。(1)減少する人口局面において、最適な都市規模なんても…