「グローバルゲート」と「ささしまライブ24」地区

 10月5日に名古屋駅南の「ささしまライブ24」地区に新たな複合施設「グローバルゲート」がオープンした。「テラッセ納屋橋」へ見学に行くついでに、ぶらっとグローバルゲートも見学をしてきた。
 「ささしまライブ24」地区は、名古屋駅から「あおなみ線」で一駅。「ささしまライブ」駅から歩行者デッキでつながっているが、もったいないので、名古屋駅から歩く。名鉄百貨店前のナナちゃん人形の下で待ち合わせをして、笹島の交差点を過ぎ、名鉄レジャックを過ぎて次の交差点、下広井町の横断歩道を渡ってさらに一区画行くと、ガード下をくぐって「ささしまライブ24」地区に入っていく。ここまでやや遠い。ガードを抜けると右に「ストリングスホテル名古屋」、左にライブハウス「Zepp Nagoya」。さらに進むと、左手に「JICA中部国際センター」。そしてそのまま「あおなみ線」まで出て、線路に沿って歩く。初めてでわからなかったが、そこが「グローバルゲート」の裏側。駐車場の出入口、「名古屋プリンスホテル スカイタワー」と「名古屋コンベンションホール」のエントランスがある。さらに「ささしまライブ」駅に面したタクシー乗り場を過ぎて、オフィスへのエントランスからようやく建物の中に入る。
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 「グローバルゲート」は大きく3棟の建物から構成されており、地上36階建の高層タワー棟、4階建の商業棟、そして地上17階建のダイワハウス名古屋ビルから成る。私たちがまず入っていったのは、高層タワー棟。これは1階がエントランス、2~4階がコンベンションホール、5~30階がオフィス、そして31階から上がホテルとなっている。こうした施設構成も知らないまま、うろうろと歩き回り、2階の屋外デッキから東へ歩いていくと、吹抜けの周りを店舗が囲んだ商業棟に出る。
 吹抜けに面したエスカレータに乗り込むと、3階は吹抜けを飲食店が取り囲んでいる。この時点ではまだ営業を始めていない店舗もあったが、とりあえず適当なレストランへ。ハワイアン・バル「Mano Kitchen Café」でランチを食べたが、正直、内容の割に値段は高い。他のレストランも同様に高めの値段設定で、これでやっていけるかと心配になる。
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 食事後4階に上がると、そこは屋上庭園。5階に向かって大階段があり、段上に植栽が設えられている。これは気持ちがいい。5階の屋上庭園には多くの人がベンチに座り、寛いでいる。そのガーデンに面して、コンビニエンスストアファミマ!!」がある。テーブル席が多く、コンビニで弁当などを買って食べている。
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 コンビニに面して、野菜が育ったプランターがガラス越しに並んでいる。これがTVニュースでも見たレンタル植物工場「GREENS SQUARE」だ。2ヶ月12,000円(来年3月までは7,000円)で一つのプランターを借り、種を播き、栽培し、収穫をする。プランターには15個のポットが置けるようになっており、それぞれ何を育てるかは用意された48種類の中から選択する。種蒔き、水やり、収穫についてはスタッフの指導がある。プランターに土はなく、衛生的。人工照明だけで、水やりは人の手で行う。照明と棚以外に特別な設備は必要ないので、どこの商業施設でも設置できますよ、とスタッフの方に言われた。また、その向かいには大人の学習スペース「勉強カフェ」。パンフによれば、首都圏などでは既に多くの出店があるが、名古屋初進出か。図書館の個人ブースのようなスペースを貸し出すもので、ビジターが1時間当たり500円。会員制度もある。うーん、こうした需要が今後、名古屋でも高まっていくだろうか?
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 こうした、これまで名古屋にはなかったタイプの店舗に圧倒されつつ屋上庭園に戻ると、名古屋駅方面を眺める。すばらしい景観。これがすすき越しに見られるのが面白い。今後、名鉄の再開発ビルが完成するとこの景観はどうなるんだろう。ひょっとして駅前の超高層ビル群が視界から遮られてしまうんじゃないかと少し心配になった。
 5階からエレベータで一気に1階まで下りる。吹抜けを囲んで店舗と飲食店。そして東に抜ける細い路地がウェルカムプラザ。そこにはスタバなど小さめの飲食店が並んでいた。どうやらここから入るのが正解だったようだ。それで東の入り口から出て、南へ向かい、道路を渡って愛知大学側を歩く。道路を挟んでグローバルゲートを見ると、改めてその全景が明らかになる。両サイドの高層棟に挟まれた商業棟の壁面は緑あふれるグリーンウォールとなっている。
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 愛知大学名古屋キャンパスは2012年に移転開校。2017年3月には2期工事も完了し、さらに施設を充実させている。平行に並ぶ2棟の校舎棟の間のキャンパスモールの上部にはガラス屋根が架けられ、明るい光が落ちている。ちなみに校舎棟のグローバルゲートに面する1階部分にも居酒屋やコンビニ店舗が入店していた。
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 愛知大学を過ぎると気持ちのいい公園が広がる。そしてその南は視界が開けて中川運河に面する。グローバルゲートの完成に合わせて、ここからレゴランドのある金城ふ頭まで水上バス「クルーズ名古屋」の運行が始まった。金城ふ頭まで1500円。レゴランドとセットで1日遊ぶと思えば悪くない。ちなみに平日は運行しておらず、水上バスの姿は見られなかった。
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 公園に面して中京TVの社屋が建つが、入口に守衛さんが立ち、自由に入館はできない。そのさらに西にはダイワハウスが建設した高級賃貸マンション「ロイヤルパークスERささしま」。家賃はかなり高めだが、けっこう埋まっていると聞いた。シェアハウスや有料老人ホームも入っている点がユニークだ。
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 「ささしまライブ24」地区はこうしてほぼ全ての施設が完成した。一つひとつの建物はどれも創意工夫がなされ楽しい。が、やはり、名古屋駅から距離があるのが難点。オープン当初は物珍しさもあって足を運ぶが、しばらくすると地区内のオフィスへの勤務者以外はわざわざ足を運ぶだろうか。そのために、名古屋市では「ささしまウェルカムバス」を走らせている。運賃は通常の市バスと同じ210円だが、回数乗車券は10枚綴りで1000円。1回100円だ。また、先に書いた「クルーズ名古屋」や「あおなみ線」を利用して、金城ふ頭や名古屋港水族館などとの連携も考えているのだろう。さて、どうなるかな。リニア新幹線の開通や名鉄の再開発など名古屋駅周辺の変化をうまく取り込んでいくとともに、アジア大会時の選手村としての活用が予定される名古屋競馬場の跡地利用など「あおなみ線」の沿線開発が「ささしまライブ24」地区の将来にも大きく影響しそうな気がする。今後の街の変化が楽しみだ。