鵜沼宿にふたたび

 高校時代の友人が神戸からやってきた。実家が各務原にあり、どこかまちあるきをしたいというので、鵜沼宿を歩いてきた。

 一昨年の秋に行ったときは、学びの森(冬ソナ公園)や瞑想の森(斎場)などを見学し、可児の桜ヶ丘ハイツへ向かう途中に寄ったため、時間がなく町屋館しか見学できなかった。今回は旧中山道の通り沿いに数100m余りを往復した。 6617

 町屋館前には1年半前には工事中だった長屋門が復原され、奥が駐車場に整備されている。町屋館は元旅籠の古い商家を修復整備したもの。無料公開しているのがうれしい。ガイド・ボランティアさんから展示品を一つずつ懇切丁寧に説明をしていただいた。急勾配の箱階段や2階のむくりのついた天井、武藤酒造と手書きされた徳利瓶などが興味深い。

 展示品の中に中山道鵜沼宿の絵地図の写しがあり、往時は街道の中央に水路があった様子が描かれている。前に訪れたときには、これを復原したいという話があった。今は交通量の多い道路だが、ぜひ実現してもらえるとうれしい。 6609

 町屋館を出て西へ歩く。菊川酒造は昨年秋に亡くなった元国会議員、武藤嘉文が社長を務めた醸造会社で、通りに面して黒壁の蔵が美しい。その西には格子窓の商家が数軒並ぶ。いずれも登録文化財に指定され、よく保存されている。

 西の端には小さなポケットパークが設けられ、宿場の入口を示している。東に戻りつつ、現在工事中の脇本陣の西隣にある二ノ神社への石段を上っていった。脇本陣の中が良く見える。木曽川まではまだ距離がある。宿場と川の間には田園地帯が広がっていたはず。今は住宅と田畑が混在し、遠く霞んでいた。

6613 町屋館の東側の町屋は現在、修景工事中。「店舗にされると聞いている」とガイドボランティアさんが言っておられた。大安寺川の橋詰には柳が植えられ、いい雰囲気を醸している。脇本陣が整備された頃、もう一度来ようと思った。

●参考

フォトアルバム 「鵜沼宿にふたたび」

「各務原の景観まちづくり」

「中山道鵜沼宿町屋館」