倉吉の町並みを歩く

 GW中、山陰を旅行した。家族旅行なので鳥取砂丘秋吉台など、いわゆる観光地にも行ったが、古い町並みもいくつか訪れた。その中からまずは倉吉から報告をしたい。倉吉へは28日の午後に到着した。まず市役所にクルマを止める。本庁舎は1956年丹下健三の作品だ。コンクリート打ち放しの外装に、細い部材の手すりが廻っている。玄関上裏の格子状の小梁もきれいだ。

f:id:Toshi-shi:20190428151007j:plain
倉吉市役所
 坂を下りて、商家が並ぶ本町通りを西に向かう。細い格子窓にオレンジ色の赤瓦がきれいだ。1998年に伝統的建造物群保存地区に選定され、2010年に区域を拡大している。四つ角にあるのは赤瓦七号館の元帥酒造。隣には火災で焼失した後に民家風に建設された「くら用心」がある。さらに赤瓦二号館の「くらよし絣」や赤瓦六号館「桑田醤油」が並ぶ。南側にも昭和レトロな雰囲気の店舗が並んでいる。打吹公園通りを過ぎるとやや人通りも落ち着くが、北側の高田酒造は蔵もあって風格がある。
f:id:Toshi-shi:20190428151424j:plain
元帥酒造
f:id:Toshi-shi:20190428151513j:plain
くら用心
f:id:Toshi-shi:20190428151708j:plain
桑田醤油(本町通り側)
f:id:Toshi-shi:20190428151827j:plain
f:id:Toshi-shi:20190428152311j:plain
f:id:Toshi-shi:20190428152336j:plain
高田酒造
 ところで、この地区は一般に「倉吉白壁土蔵群」と呼ばれるが、この本町通り沿いには細格子に赤瓦の商家が並び、白壁土蔵は少ない。灯篭が並ぶ弁天参道を抜けるとようやく、玉川の流れに沿って白壁の蔵が並ぶ特徴的な景観が広がる。川には鯉が泳いでいる。少し東に戻ると、打吹公園通りから右手川沿いに桑田醤油醸造場、左手に赤瓦五号館が並ぶ。ここが最も有名な撮影スポットか。
f:id:Toshi-shi:20190428152722j:plain
玉川沿い
f:id:Toshi-shi:20190428151830j:plain
白壁土蔵群(桑田酒造と赤瓦五号館「久楽」)
 「赤瓦五号館 久楽(くら)」は1階が玉砂利敷きのモダンな待合となっていて、1階のカウンターであずき入りのコーヒーを受け取ると、2階からしばし川沿いの景色を眺めながら休む。南側の蔵に向かって、川の上に小さな橋が架かり、搬入口になっている。北側には赤瓦一号館。こちらは土のままの黄土色の土壁。手前は土産物店、奥はギャラリー的なスペースになっているが、小屋組が手前は洋組のトラス、奥は和小屋組となっているのは面白い。打吹公園の前まで戻ると、竹細工の店もあったりする。
f:id:Toshi-shi:20190428160933j:plain
赤瓦一号館
f:id:Toshi-shi:20190428162814j:plain
玉川沿い
 ここでまち歩きを終えた。後でパンフなどを確認すると、旧国立第三銀行倉吉支店「白壁倶楽部」など、せっかくだから見ておけばよかったと後悔する建物もあった。残念。またの機会、は何時あるかわからないけど、今回がそもそもほぼ40年振りに訪れた。その時の記憶は「川沿いに蔵があった」という程度で、今回久しぶりに訪ねて、倉吉の魅力を再認識した。こじんまりとしているけど、いい町だ。