ままま勝川と勝川駅周辺の商業施設

 久しぶりに名古屋へ出た帰りに、勝川駅周辺を回ってみた。勝川地区は同じ春日井市内でもあり、時々、駅を利用したり、最近では年に一度、市が開発したホテルプラザ勝川での会合に出席したりしているが、駅周辺をじっくり歩いたことは少ない。これまで、2000年に「中心市街地すまい研究会」のメンバーと、そして2007年には春日井駅から勝川駅まで、下街道を歩いたことがあるが、それ以来の見学。実は先日読んだ「これからの地域再生」に、「ままま勝川」が紹介されていて、びっくりした。勝川駅前の商店街では、勝川商業開発(株)というまちづくり会社を立ち上げ、かちがわ弘法を中心に様々な活動を展開していることは、「中心市街地すまい研究会」の時に聞いたが、この「ままま勝川」は、その勝川商業開発(株)が開発した商業施設で、2014年に古民家をリノベーションしてオープンした「まち起業シェア店舗・TANEYA」に続いて、2016年にオープンした。「TANEYA」もしっかり見ておけばよかったと少し後悔したが、「TANEYA」は古民家の再生、「ままま勝川」は空き地へ新築したという違いで、複数の小規模テナントが入居する商業施設ということでは変わりはない。
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 鉄骨造2階建て、白い外観のシンプルな建物で、中庭に面して10店舗ほどが入居。2階奥には「まままホール」という貸しホールもある。また中庭も「ままま広場」として有料で貸している。これらの施設は勝川商業開発(株)が開発し、(株)勝川エリア・アセット・マネジメントが管理運営を行っている。他に(株)まちづくり勝川という会社もあるが、これらはいずれも春日井商工会議所の副会頭も務める水野隆氏が代表取締役となっている。ちなみに本業は名古屋コーチンなどを食べさせる和食処「水徳」の経営者。
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 勝川商店街に空き地・空き店舗が増えていくことを憂慮し、他の商業者・地権者を束ね、共同出資の形でこれらの会社を立ち上げ、事業を行っている。言ってみれば、先に読んだ「ヤンキーの虎」のような存在かもしれない。同行した者はやや辛口に「共同出資による小規模な商業施設に過ぎない」と言ったが、確かにそのとおり。実は今回、見学しようと思った動機の一つが、勝川駅前再開発ビルの一つ「ネクシティパレッタ」にあったスーパーマーケット「生鮮館やまひこ」が撤退し、その後を地元のスーパー「不二家ナフコ」が入ると聞いたので、それを見に行きたいと思ったのだが、まだ工事中だった。
 地方駅前の商業施設はどこも大変だ。勝川はまだ駅前で再開発事業が行われたため、住民は増えていると思うが、それでも駅前のスーパーが撤退する状況。そこにつながる商店街も大変なことは変わりない。個人ではできない空き地・空き店舗の活用を、地域の商業者が共同出資したまちづくり会社で行うというのは、好ましい事例だとは思うが、それで商店街が大きく変わるわけではない。今後も地道な努力が必要なのだと思う。
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 それで今度は、駅の東側。鉄道立体事業により新たに整備された駅前広場から徒歩6分。ホンダ系の部品会社ショーワの跡地に建設されているマンション「勝川サザンクラス」と隣接する商業施設を見学に行った。マンションはまだ建設中だが、現在建設されているα棟が地上15階建て158戸。南側にβ棟も建設予定だ。ちなみに建設は(株)長谷工コーポレーション。販売は長谷工三交不動産(株)他が行っており、2018年3月入居予定。販売価格は3,500~4,500万円で、先着順販売状況を見ると、現時点で残り4戸という状況らしい。
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 気になるのは隣接する商業施設だが、既にスーパーマーケット「バロー勝川店」がオープンし、隣接して2階建てのショップ棟が建設されていた。また、敷地内には駐車場に面してスターバックスもオープンし、賑わっている。バローは通路こそ広めだが、要するに一般的なスーパーマーケット。周辺は戸建て住宅地になっているので、マンション住民以外の集客も拾えるのだろう。ちなみに勝川駅下にはマックスバリュエクスプレス勝川駅店もある。発展する勝川駅前と言えども、商業施設同士の戦いはなかなか大変そうだ。勝川駅に戻り、改めて駅北側の再開発ビル群。そして南側の駅前広場を囲むマンション群を眺める。遠くに「勝川サザンクラス」が見えた。
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