読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

徳島・脇町のうだつの上がる町並み

まちなみ・あれこれ

 脇町はずっと昔から訪れてみたい町だった。だが周辺に観光地もないことから、なかなか訪れる機会がなかった。今回ようやく念願が叶った。期待に違わず、きれいな町並みが残っていた。というか、最近ようやく整備が進んできたという感じかな。観光客もそこそこ集まっていた。
f:id:Toshi-shi:20160430113756j:plain
 脇町は城下町だが、吉野川の水運で栄えた藍染の町でもある。道の駅「藍ランドうだつ」の駐車場とまちの通りの間は堀のようになっていて藍商だった吉田家の船着場がある。道の駅の施設「藍蔵」の東にこの1月にオープンしたのが「美馬市観光交流センター」。藍染め体験や和傘制作体験ができる施設やカフェなどがある。蔵作りを模した新しい建物だが、ここで藍染めについて少し教わった後、町並みに出る。
f:id:Toshi-shi:20160430113439j:plain
 確かに立派なうだつが上がっている。妻入りに平庇の民家もあるが、多くは平入り。1階は格子窓や蔀戸、庇の上の2階は少し下がって灰色のしっくい壁に虫籠窓。そして隣家との間にはうだつ。西に向かって歩くとほどなく擬洋風建築を模した観光文化資料館に着く。ここが概ね町並みの西の端。そこからまた東へ戻っていく。ちなみにすべての建物にうだつが上がっているわけではなく、うだつのない建物もある。説明看板によれば1700年代初期の建物ではうだつがまだ上がっていないと書かれている。
f:id:Toshi-shi:20160430114024j:plain
f:id:Toshi-shi:20160430114249j:plain
f:id:Toshi-shi:20160430114543j:plain
f:id:Toshi-shi:20160430123503j:plain
 道の駅のカフェで食事後、さらに東へ向かう。通りがカギの手となった突き当たりに「手づくり郷土賞」の碑とつるべ井戸がある。この辺りの商家もどれも立派だ。しばらく歩くと図書館があり、こちらも白壁にうだつを上げて町並みに溶け込んでいる。ただしこれは1986年(昭和61年)建築でいるか設計集団の作品。昔ながらの農業倉庫をリノベーションして作った建物だ。事前に知っていれば、もう少し時間があれば、じっくりと見学してきたかった。
f:id:Toshi-shi:20160430123526j:plain
f:id:Toshi-shi:20160430123710j:plain
f:id:Toshi-shi:20160430123722j:plain
 東端まで歩くと川があって、その先に木造の古びた演芸場が見える。オデオン座だ。1934年(昭和9年)建設で戦前は演劇などでにぎわっていたが、一時はすっかり寂れて取壊し寸前。しかし山田洋二監督作品の舞台となって一躍注目を集め、修復し現在に至っている。入場料200円だが、当日はたまたま民踊発表会を開催していて無料で観覧できた。畳敷きの観覧席に2階にも観覧座敷が付いて、場内も雰囲気のある建物になっている。
f:id:Toshi-shi:20160430123930j:plain
f:id:Toshi-shi:20160430124152j:plain
 ずっと来たいと思っていた割には時間がなく、駆け足の見学になってしまったのが残念だが、町並みは期待に違わず見事だった。観光地化はこれ以上進まないでほしい。