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中京競馬場の見納め 改修工事に

建築アルバム

6686 中京競馬場が3月28日の高松宮記念を最後に、2年間の改修工事に入る。中京競馬場を運営する日本中央競馬会に土地・建物を貸す(株)名古屋競馬で働く先輩の好意により、休止前の競馬場を見学させていただいた。

 日本中央競馬会(JRA)は、日本中央競馬会法に基づく特殊法人で、「競馬の健全な発展を図って馬の改良増殖その他畜産の振興に寄与するため」に設立されている。JRAが主催する競馬場は全国に10カ所あるが、必ずしもJRAが自らこれらの施設を所有し運営しているわけではないようだ。

 中京競馬場は昭和25年に競馬法改正により中京地区に国営競馬場が設置されることになったことを受けて、愛知県や地元金融機関等が出資して昭和27年に設立された株式会社名古屋競馬が所有している。農水省(後に日本中央競馬会)と施設賃貸借契約を締結し、昭和28年から競馬興行が行われている。

 現在のスタンドは昭和45年に建築され、その後前面がガラス張りとなった新スタンドが増設されているが、メインのスタンド棟は新耐震以前の建築で耐震性に劣ることから、今回全面的に建て替えるとともに、馬場も全面改造することとなった。

 私たちが訪問したのは最終日の前日27日だが、久し振りに朝からよく晴れ上がり、場内にも多くのファンが詰めかけていた。

6682 最初にパドックを見せてもらう。テレビで見る限りはいったいどこにあるのかわからなかったが、スタンドの裏側に小さな楕円形の広場があり、そこを次のレース出走予定の馬たちが並んで回る。ファンが群がり馬の様子を見定める。意外に簡素な造り。競馬場とは地下通路で結ばれている。

 スタンド1階には馬券売場や飲食等の各種サービス施設が整備されている。マークシートを塗りつぶしてお金とともに投票機に入れると馬券が発行される。単勝・複勝以外に枠連・馬連・馬単・ワイド・3連複・3連単とあって、何がどうなのかさっぱりわからない。説明の女性の言われるまま、適当に500円分購入するが、もとより当たるわけもない。ちなみに同行者6人のうち、当たったのは1名のみ。還元率75%というが、やはりランダムに購入しては当たるものも当たらないという点は宝くじとは違う。

 スタジオ棟の1階を馬場に向けて通り過ぎると気持ちのいい芝生広場が広がる。シートを広げおにぎりを食べる家族連れも多い。コースに沿って歩くと地下道があり、くぐるとコース中央の子供広場に出る。

 「動物園に行こうか」と行って子供を連れ出し、競馬場に行くというのは昔からよく聞く冗談だが、子供広場には馬車や遊具が数多く取り揃えられ、順番待ちの子どもたちの列ができている。もっとも最大でも5分待ち程度。入場料200円を払えばすべて無料なので家族連れにはいいレジャーかもしれない。ただしおとうさんが競馬で負けなければだが。

 スタンド棟の隅に関係者用の入口があり、そこから関係者用スタンドへ案内してもらう。とは言っても、同じフロアに一般客用の観戦席があり、別室になっているだけのことである。観戦席はS・A・B・Cの各指定席になっており、屋内側で馬券投票ができ、レースは屋外席で観戦できるようになっている。1,000〜2,800円。1日ゆっくり楽しむのなら高くないと思うのだろうか。既にS・A席は売り切れになっていた。 6680

 来客数は最近若干減少傾向とのことだが、平均1日25,000人程度は入場すると言う。「1人1万円として2億5千万円ですね」と言ったら、いやもっと多いと言う。75%は払い戻すわけだから、平均すればその数倍の売り上げがあるということか。今はネットや携帯でも馬券購入ができるから、それらを足せば売り上げはもっと多い。ネットで見ると、日本中央競馬会の年間馬券売り上げ収入は、2兆7600億円以上だが、年々減少しているようだ。

 野球やサッカーの観客1〜4万人程度と較べても遜色ない入場者数で、競馬が大衆レジャーとしてしっかりした地位を占めていることがわかる。場内を見て回っても、場末的な印象はそれほどない。JRAの経営方針を見ても「健全な娯楽」への意志を感じるが、毎週入り浸るというのもどういうもんか。それを言ったら野球ファンも同じかもしれないが。

 中京競馬ファンは、今後2年間は競馬の生観戦ができないのだが、その間、彼らは何を楽しみに週末を送るのか。そして新装なった競馬場を彼らはどんな思いで迎えるのか。戻ってくるのか。そして何より新競馬場はどんな姿を見せるのか。2年後、見学できる機会があればぜひ見に行きたいと思う。