住人十色

 愛知ゆとりある住まい推進協議会が昨年で設立20周年を迎えた。その記念誌として発行されたのが本誌。昨年度まで、この本の企画と作成に関わっていたが、私の手を離れた今年度、後任者や作成に関わった皆さんの尽力の結果、思っていた以上に楽しい本として完成したことをうれしく思います。

 協議会の20周年記念誌という性格上、また予算が非常に限られていたという制約から、これまでの活動をベースにした内容にする必要があった。協議会では、活動初期から「すまいる愛知住宅賞」を、2001年からは「我が家のリフォームコンクール」を開催してきたことから、これらの作品紹介を中心にしたいという提案は自然に生まれたものの、「売れるものにしたい」という強い意向があり、内容に四苦八苦。協議会会員団体からの各委員の皆さんからも、「売れる内容」にするための厳しい意見が百出し、書店に並べられた雑誌を見ながら不得意な営業検討を行った。

 各作品の紹介は、住みこなしてきた居住者の生の声を伝えたいと、インタビュー取材を元に構成。これに各賞の委員を務めていただいた笠島先生(大同工業大学教授)、小川先生(愛知教育大学教授)に最近の新築・リフォーム住宅の特徴について解説していただいた。その他、建築家の山下和正氏や東海学園大学教授の三宅醇氏の小文も掲載して記念誌としての体裁を確保しつつ、一般購読者にも役に立つ情報誌としたつもり。先生方、もう少しやさしい文章にしてもらってもよかったかな。

 結局、商業誌にくらべれば雲泥の出来になってしまったが、それでも全部で17の住宅作品を紹介することができた。通して読めば、建築主の熱い思いが伝わってくる。住まいづくりを考えている人にとっても、その楽しさや建築主としての心構え、さまざまな工夫などを知ることができる。まずまず、買って損はしないと思うけど、大甘かな?

 最後に、ご協力いただいた建築主や設計者の方々には最大限の感謝を申し上げます。どうもありがとうございました。

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