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不正と裏金

 愛知県、岩手県を始め、多くの都道府県で、不正経理と裏金作りが行われていた、という報道には正直びっくりした。しかし、よくよく報道を読み聞きしてみると、国庫補助金についての会計検査で、補助の本体事業に伴い支給される事務費において、本体事業と直接関わりのない使途、例えば研修会への出張旅費などに使われていた、ということらしい。裏金については、年度末に発注して納品が4月以降にずれ込んだものなどのことらしい。年度内に作成された品目と納入された物品が異なるという事例もあるようで、業者への預け金のプールという表現がされていた。なるほど裏金とはそういうもののことですか。  しかし、不正や裏金という言葉を聞いて想像するのは、私的な使い込みや飲み食いというイメージで、毎夜、国民の税金で宴会を繰り広げている姿が目に浮かぶ。  そもそも今回「不正」と指摘された経理も、国の立場から見た不正であって、「国の補助金の対象経費としては認められません。都道府県独自の財布から出してください。」ということなので、国民からすれば、国税から出すか、県税から出すか、どちらにしろ負担の総額は変わらない。裏金についても、「飲食などには使われていない。」という言葉が真実ならば、補助金の年度会計や全額執行を原則とする仕組みの構造的な欠陥がもたらしている側面がある。  この事件による国民の不利益はなんだったのかと冷静に考えてみると、正直よくわからなくなる。もちろん、行われた経理の実態は良くないが、その実態と使われた言葉の乖離のほうにより違和感を持った。不正や裏金というよりも「不適切な使途や経理」という表現のほうが適当なのではないか。マスコミが共同して使ったのか、会計検査院が最初に使ったのかわからないが、実は他の真の不正やウラを隠すために今この報道がされたのでは、なんていうことも考えてしまった。