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井上章一 現代の建築家

タイトルを見て、伊東豊雄や手塚貴晴などの現代建築家を語る本かと思っていた。予約して手に取って思わずびっくり。長野宇平治から始まって、伊東忠太、吉田鉄郎、渡辺仁、松室重光、妻木頼黄。ついでなので全員の名前を書いておく。武田五一、堀口捨巳、前…

愛知県農業大学校 追進館

愛知県岡崎市の東部、美合町に県が運営する農業大学校がある。昭和9年に開校され、この地域で多くの農業の担い手を育成してきた。愛知県は全国有数の農業県・畜産県でもある。現在でも全寮制の農学科では1学年100名弱の学生が2年間に渡り、農業・畜産に関す…

【完】ドイツ流街づくり読本

5年ほど前に同じ筆者による同タイトルの本「ドイツ流街づくり読本」を読んだ。その後、「【続】ドイツ流街づくり読本」があって、今回の「【完】ドイツ流街づくり読本」が完結編。続編は読んでいないが、最初の「ドイツ流街づくり読本」はドイツの都市計画…

住宅リフォームにあたり耐震化を目指さない世帯が増えている?

名城大学の高井先生を中心に住宅リフォーム産業の動向などを研究する会のメンバーに加えてもらっている。先日は愛知ゆとりある住まい推進協議会が実施している「わが家のリフォームコンクール」の応募作品を対象に住宅リフォームの傾向について分析した結果…

人口減少期は持ち家の時代?

先日テレビを見ていたら、芸人の「小島よしお」が幼稚園児などに大人気で子供向けのイベントで引っ張りだこだと紹介していた。主な営業先の一覧が提示され、その中に名古屋近郊の住宅展示場があってびっくりした。最近、ハウスメーカーの方と話す機会があり…

反骨の市町村

筆者の相川俊英氏はダイヤモンド・オンラインで「相川俊英の地方自治”腰砕け”通信記」を連載している。そこからの記事に加筆修正して発行された本ということで、元のウェブサイトを見に行ったら、3月31日を最後に連載が終了していた。私はこれまでこの連載を…

私的空間と公共性

和歌山大の山田先生には2009年に名古屋で開催された都市住宅学会全国大会でのワークショップでお会いしたことがある。その際、先生は「土地・住宅の公共性と公的管理」というタイトルで報告をされたが、リーマンショック後の不況がまだ続いている中で、住宅…

金沢市の歴史的建物を活かしたまちづくり

都市住宅学会中部支部恒例の総会・講演会に参加した。今年の講師は金沢大名誉教授の川上光彦氏。先生は金沢市出身で、京大で学んだ後、郷里の金沢大に赴任し退官したという金沢一筋の方だ。達磨さんのような茫洋とした風貌はさすが加賀百万石の風情を感じさ…

縮小都市の挑戦

空き家の増加が問題となっている。しかし序章「縮小都市の時代」では、縮小を新たな都市発展の方向として見直す見方を提起する。都市に散在する「空き」を「持続可能な縮小都市」を実現するための「資源」として活用できないかと考える。そうした視点でデト…

日本木造遺産

建築史家の藤森照信と写真家の藤塚光政が日本を代表する木造建築23作品を訪ね歩く。どうやら二人は必ずしも一緒に現地に訪れたのではなく、それぞれが都合のよい日に別々に訪問しているらしい。特に写真家の藤塚光政は被写体の撮影条件のよい日を選んで現地…

復興<災害>

塩崎賢明氏は阪神・淡路大震災の直後から、住宅や暮らしの復興を一貫して主張されており、東日本大震災後も同様の姿勢から多くの著書を著すとともに、兵庫県震災復興研究センターや阪神・淡路まちづくり支援機構の代表を務められるなど、復興支援に先頭に立…

日本の都市から学ぶこと

著者のバリー・シェルトンはオーストラリア在住の都市計画家である。日本人の妻を持ち、長崎(と東京?)と名古屋で生活をした経験を持って、日本の都市の構造を読み解く。 最終の第7章に、 ●大半のサインを読むことなく都市を歩き回ったのだが、建物の基本…

白熱談義 これからの日本に都市計画は必要ですか

日本の都市計画界の重鎮・蓑原敬氏に饗庭伸を始めとする若い7名の都市計画の研究者や建築家が講義を聴き、対談をする。1部「講義編」では、2011年3月から13年2月にかけて蓑原氏の講義を中心に開催された研究会での討議を紹介し、2部「演習編」では若手7人か…

空き家対策と活用促進

少し前に一般社団法人地域問題研究所開催の「空き家問題の見通しと対策~空き家の有効活用策」というセミナーに参加した。忘れる前にメモを起こしておこう。 講師は3名。まず、富士通総研の米山秀隆氏。空き家問題についての著書もあるこの分野の第一人者だ…

旧商家「駒屋」の復元工事

豊橋市の東部、静岡県との県境に近い位置に、旧「二川宿」の町並みが残っている。10年ほど前に、二川・大岩地区の防災とバリアフリーのまちづくりに関する地域会議があり、東海道沿いのまちなみを歩いた。その時の様子は、「豊橋市 二川・大岩まちづくり」で…

サービス付き高齢者向け住宅は「住宅」なのか、「施設」なのか

先日、サービス付き高齢者向け住宅を調査した名古屋大学のM生、Hさんの発表を聞く機会があった。昨年5月時点で登録されていた愛知県内のサービス付き高齢者向け住宅174件5994戸を対象に、立地や家賃・サービス料、住宅の形態(専用設備の状況)などを変数に…

豊橋・水上ビルを読む

JIA東海支部の機関誌「ARCHITECT」に昨年12月号から豊橋市の建築家・黒野有一郎氏による連載「建築家は、リージョンをもつ。」が始まっている。初回は「『豊橋』と『水上ビル』」というタイトルで、豊橋市の概況と水上ビルの概要について書かれている。そし…

景観の作法

布野修司は昔「住まいの夢と夢の住まい」を読んだことがある。それ以来、アジアの都市や住まいを研究している人だと思っていた。本書は本格的な景観論。教科書的なと言っても過言ではない。そして2000年に発行された「裸の建築家:タウンアーキテクト論序説…

地方消滅の罠

昨年5月に発表された日本創成会議の増田レポートを徹底的に批判する。「2040年までに全国の市町村の半数が消滅する可能性がある」とするこのレポートは、地方の自治体に大きなショックを与えた。先に読んだ「自治体崩壊」は豊富なデータを基に、「地方も都会…

自治体崩壊

日本創成会議が「2040年には自治体の半数が消滅する可能性」と発表されたのは昨年の5月。多くの自治体にとっては相当なショックで、さっそく国もこれに対応する動きを見せ、11月には地方創生関連2法が制定された。こうした動きに対応して何冊か関連本も発行…

住宅地における多様性の獲得

東京大学の大月教授の講演を聞きに行った。大月教授と言えば昨年「近居」を出版した。これを読んで、近居の実態や意義についてきちんと評価し、住宅政策に反映していくことが必要ではないかと思った。そういう意味で大いに期待して講演会に参加した。しかし…

最近のリフォーム産業の状況について勉強中

名城大学の高井先生からお誘いいただいて、リフォーム産業に関する研究会に参加している。昨年10月の初回の会合は大学の先生やリフォームを手掛けている設計者、工務店、それに行政担当者などが集まり、それぞれの立場から最近の状況を伺った。最近はリフォ…

3.11以降の建築

2014年11月1日から2015年5月10日まで、金沢21世紀美術館で開催される展覧会「ジャパンアーキテクツ 3.11以降の建築」に関連して発行された。って、まだ開催中じゃないか。できれば見に行きたいな。それはさておき・・・ この展覧会でゲスト・キュレーターを…

あけましておめでとうございます。

三河山間地域の定住施策-愛知県交流居住センターの活動

愛知県交流居住センターという組織がある。愛知県地域振興部山村振興室の取組を受けて、平成20(2008)年に設立された。先日、この事務局長を務めている(一社)地域問題研究所の加藤さんからセンターの活動と県内各市町村の定住施策の状況について話を聞いた。 …

「D.M市でのまちづくり」を振り返る

初めてパソコン通信に触れてニフティのFCITYに参加した頃、「D.M市でのまちづくり」という連載投稿をした。1994年2月から96年にかけての2年間のまちづくりの報告だ。今も「犬山北のまちづくり」としてHPに保存してある。先日、久し振りに犬山のまちを歩く機…

環境技術を駆使 愛知学院大学名城キャンパス

職場からすぐ近くにこの4月、愛知学院大学名城キャンパスがオープンした。これまで名古屋の郊外・日進市にあった商学部・経営学部・経済学部のビジネス系3学部を名古屋の中心地、名古屋城や官庁街に近接する地区に移設した。地下鉄「名城公園」駅から徒歩1分…

日本のカタチ2050

みかんぐみの「竹内昌義」、R不動産の「馬場正尊」、コミュニティデザイナーの「山崎亮」。今をときめく建築関係者の名前が表紙に大書されていた。そして「日本のカタチ2050」というタイトル。35年後の2050年を時代の最先端を行く彼らがどう描くのか。興味を…

リニアで名古屋が変わる

住宅金融支援機構東海支店の講演会があったので参加した。講師は明治大学専門職大学院長の市川宏雄氏。講演のタイトルは「リニアが日本を改造する本当の理由~リニアで名古屋が変わる」。リニア中央新幹線開業による名古屋圏への影響について様々な資料を元…

「空き家」が蝕む日本

日本で住宅インスペクションを初めて業として始めた長嶋氏のことは、数年前から注目していた。最近は国交省が設置した研究会の委員を務めるなど活発に活動をされている。タイトルから当然、空き家問題に関する本だと思った。長嶋氏らしい空き家対策の提言で…

空き家問題

平成25年度に実施された住宅・土地統計調査の速報値が公表され、新聞等で空き家の増加がセンセーショナルに報じられたことで、空き家問題がホットな政策課題となりつつある。実際は新聞等で報じるほど、都市部や郊外地で空き家が発生しているわけではなく、…

設楽町の木造公共建築とダム移転者用住宅地整備

もう1ヶ月近くも前のことで、次第に記憶から薄れつつある。いい加減に簡単でもいいからまとめておこう、と思って整理しておく。 愛知県北設楽郡設楽町は新城市の北。名古屋から東名高速で豊川ICで降り、国道151号を北上していく。新城市内に入り、国道151号…

横丁と路地を歩く

全国の横丁や路地を歩き、紹介する。現存するものが24か所。消えた横丁2か所。さらに新たに誕生した横丁として「おかげ横丁」など4か所が紹介されている。その多くは東京に片寄っていて、その他の地域は本書のためにわざわざ取材して追加したという印象だ。…

インフラの呪縛

「インフラの呪縛」というタイトルからは、単純な公共事業批判の本という誤解を生みやすい。だが実際は、河川や道路、鉄道事業などの戦前・戦後からの経緯を丹念に振り返り、公共事業がどういう経緯で現在に至り、どんな課題に直面しているのかを明らかにし…

高島平団地におけるUR賃貸住宅のリノベーション

東京都板橋区のUR高島平団地で実施されているリノベーション住戸の見学会に参加した。都営三田線「高島平」駅を降りると目の前に広がる巨大団地に、「これがあの高島平か」とまずは感嘆。線路に沿った緑地を歩き、集合場所の集会所に着いた。まず最初にUR賃…

ミライのフツーを目指す とよたエコフルタウン

豊田市が整備し、この4月にフルオープンした「とよたエコフルタウン」の見学に行ってきた。豊田市は2009年に環境モデル都市に指定され、人と環境と技術が融合する「ハイブリッド・シティ」をキーワードに環境先進都市づくりを進めている。2010年には横浜、け…

近居

「夫婦+子ども二人」の標準家庭と言われてきた世帯が現実には非常に少なくなり、単身世帯の増加が顕著になって、また危惧されている。マスコミでは高齢者の孤立死が大々的に報道され、介護などの高齢者への対応の必要性が声高く叫ばれている。私の周りでも…

名古屋城の秘密

本丸御殿の整備が着々と進む名古屋城。先日は昨年5月から一般公開されている玄関と表書院の見学記を投稿したところだが、今度は考古学の先生による「名古屋城の秘密を読み解く」と題する講演会を聞きに行った。 講師となっていただいたのは奈良大学学長の千…

箱の産業

前回の「場の産業」から遡って、「箱の産業」を読んだ。「箱の産業」の成立と成長を経済状況や時代状況から述べる本かと思っていたが、プレハブメーカー8社の創業時の住宅開発に関わった16名の人々に当時の状況を聞くインタビュー記事が並べられている。その…

建築―新しい仕事のかたち

東大の松村先生が最近、「箱の産業」と「場の産業」という言葉を使い始めた。プレハブメーカーなどの取り組みをまとめた「箱の産業」についてはこれから読んでいきたいと思っているが、先に「場の産業」についての本を読んだ。わずか150ページ足らずのコンパ…

住宅そのものではなく、住む機能を評価する・維持する・活用する。

既存住宅ストックをテーマに3人の方から話を聞いた。一人は名古屋学院大学の上山准教授。先生は経済学の立場から家計への住宅資産の影響等について研究をしている。日本は欧米に比べ、既存住宅流通比率が低く、住宅市場は圧倒的に新築住宅が中心となっている…

名古屋城本丸御殿 玄関と表書院を公開

復元工事が進められている名古屋城本丸御殿には3年ほど前に見学に行ったことがある。「名古屋城本丸御殿の復元工事」 昨2013年5月末から第一期工事分の玄関と表書院が公開されている。先日、また名古屋城本丸御殿の復元工事現場等を見学する機会に恵まれた。…

住まいを再生する

昨秋、講演をお願いした平山先生から本書の刊行を知らされ読み始めた。住宅問題や建築関係の研究者に留まらず、弁護士や法学、行政学、経済学などの多様な執筆者が分担して、東日本大震災及び福島原発事故による被災者支援と地域復興に向けて、現在直面して…

リバース・スプロールにいかに対応すべきか

名古屋では今、リニア中央新幹線の2017年度東京―名古屋間開通に向けて、地域活性化への期待が高まっている。開業後の2030年における名古屋圏の都市と住まいのあり方について、二人の研究者に話を聞いた。一人は成長管理型都市計画を研究しているM氏。もう一…

「これからの防災まちづくり」は情報共有と超ポジティブ思考

東京大学生産技術研究所の加藤孝明准教授の講演を聴く機会があった。その超ポジティブな発想に驚愕した。 講演のタイトルは「防災の基本とこれからの防災まちづくり」。最初に先生が専門とする「地域安全システム学」(先生曰く、東大生産技術研究所では一人…

あけましておめでとうございます。

消費税増税駆け込み完了検査への対応準備は大丈夫?

住宅業界は消費税増税後のすまい給付金が10月1日に閣議決定され、駆け込み建設もようやく収まってきた感じだが、それでも今年上半期の住宅建設戸数はけっこうすごいことになっている。11月29日に公表された最新の建築着工統計調査報告によれば、今年度上半期…

準備運動が不十分な者は懲戒処分!?

建築士会連合会の機関紙「建築士」に、国土交通省からの「建築士の定期講習未受講者に対する懲戒処分について」と題する「お知らせ」が掲載されていてびっくりした。日本建築士事務所協会連合会のHPにも同じ文章が掲載されているので、建築士関係の団体に周…

一家に一台、車椅子! 人にやさしい街づくりセミナーin田原に参加して思ったこと

先日土曜日に田原市で開催された「人にやさしい街づくり地域セミナー『出掛けたくなる街in田原』」に参加した。当日は冒頭の挨拶や説明の後、参加者が6つのグループに分かれて、それぞれ別々に定められたコースに従って街に出掛け、課題や改善点等を点検する…

高齢期の住まいと地域包括ケア

(公社)都市住宅学会中部支部主催の講演会に行ってきた。講師は日本社会事業大学専門職大学院准教授の井上由起子さん。先生は建設会社勤務等を経て、旧国立医療・病院管理研究所、国立保健医療科学院に在籍。2012年より現在の大学院に所属している。厚生労働…