まち遊び日記

建築士制度の矛盾

新年早々、建築士のあり方について議論をしてしまった。 昨今、ゼネコンでは建築系学科を卒業した社員に、一級建築士よりも一級建築施工管理技士を取得するよう勧めることが多い。一定規模以上の工事現場には監理技術者を配置する必要があるが、監理技術者の…

あけましておめでとうございます

今年は変革の年。さて、4月以降、どんな人生が待っているのか。楽しみでもあり、悩んでいます。いずれにせよ、常に前向きでいたいものです。責任感を持って、楽観的に。

京都空き家セミナー(京都・六原における空き家対策の取組)

京都市及び京都六原学区における空き家対策についてのセミナーがあり、聴講してきた。なかなか楽しく、かつ勉強になるセミナーだった。以下、その概要を記録に留めておく。 まず京都市役所からは都市計画局まち再生・創造推進室密集市街地・細街路対策課長の…

「さしがね」や「墨壷」って見たことあるだろうか?

公益財団法人「竹中大工道具館」の赤尾館長の講演を聞く機会があった。テーマは「大工道具の歴史とものつくり」。新神戸駅隣に立地する「竹中大工道具館」は建築関係者なら一度は訪ねておきたいところ。建築士会の会報誌「建築士」でも昨年6月から12月にかけ…

地震の記憶

熊本地震の揺れがなかなか収束しない。今回の地震は、最初の前震では直下型断層地震ということで建物被害は地域限定的だったが、その後に大きな本震が襲い、前震で緩んだ建物が崩壊するという被害が多数起きている。今後の余震でさらに崩壊する建物が増えな…

既存ストックの福祉的活用

数週間前に「既存ストックの福祉的活用」について、金城学院大学の加藤準教授の講演を聞く機会があった。先生は建築計画が専門で、自ら設計したケアホームやデイサービスセンターの紹介をされた後、地域包括ケア時代の福祉施設について説明があった。ここで…

空き家の管理・活用について考える。

先日、都市住宅学会東海支部の公共住宅部会で空き家問題について議論が盛り上がった。空き家対策と言えば除却と活用が二本柱として掲げられる。先日施行された空き家特措法では老朽化した特定空き家への対策が主に強化されたが、一方で活用の促進も重要と言…

孤立死対策は回覧板が一番! そして、民間型シルバーハウジングについて考えた。

先日友人と話していたら、彼の町内で孤立死があったという話になった。ちょうど彼の家が町内会の役員(班長)に当たっていて、回覧板を回したが、いつまで経っても帰ってこない。数軒先の方に聞くと「うちにはまだ回っていないよ」という返事。どうやら一人…

住宅リフォームにあたり耐震化を目指さない世帯が増えている?

名城大学の高井先生を中心に住宅リフォーム産業の動向などを研究する会のメンバーに加えてもらっている。先日は愛知ゆとりある住まい推進協議会が実施している「わが家のリフォームコンクール」の応募作品を対象に住宅リフォームの傾向について分析した結果…

人口減少期は持ち家の時代?

先日テレビを見ていたら、芸人の「小島よしお」が幼稚園児などに大人気で子供向けのイベントで引っ張りだこだと紹介していた。主な営業先の一覧が提示され、その中に名古屋近郊の住宅展示場があってびっくりした。最近、ハウスメーカーの方と話す機会があり…

金沢市の歴史的建物を活かしたまちづくり

都市住宅学会中部支部恒例の総会・講演会に参加した。今年の講師は金沢大名誉教授の川上光彦氏。先生は金沢市出身で、京大で学んだ後、郷里の金沢大に赴任し退官したという金沢一筋の方だ。達磨さんのような茫洋とした風貌はさすが加賀百万石の風情を感じさ…

空き家対策と活用促進

少し前に一般社団法人地域問題研究所開催の「空き家問題の見通しと対策~空き家の有効活用策」というセミナーに参加した。忘れる前にメモを起こしておこう。 講師は3名。まず、富士通総研の米山秀隆氏。空き家問題についての著書もあるこの分野の第一人者だ…

サービス付き高齢者向け住宅は「住宅」なのか、「施設」なのか

先日、サービス付き高齢者向け住宅を調査した名古屋大学のM生、Hさんの発表を聞く機会があった。昨年5月時点で登録されていた愛知県内のサービス付き高齢者向け住宅174件5994戸を対象に、立地や家賃・サービス料、住宅の形態(専用設備の状況)などを変数に…

住宅地における多様性の獲得

東京大学の大月教授の講演を聞きに行った。大月教授と言えば昨年「近居」を出版した。これを読んで、近居の実態や意義についてきちんと評価し、住宅政策に反映していくことが必要ではないかと思った。そういう意味で大いに期待して講演会に参加した。しかし…

あけましておめでとうございます。

リニアで名古屋が変わる

住宅金融支援機構東海支店の講演会があったので参加した。講師は明治大学専門職大学院長の市川宏雄氏。講演のタイトルは「リニアが日本を改造する本当の理由~リニアで名古屋が変わる」。リニア中央新幹線開業による名古屋圏への影響について様々な資料を元…

名古屋城の秘密

本丸御殿の整備が着々と進む名古屋城。先日は昨年5月から一般公開されている玄関と表書院の見学記を投稿したところだが、今度は考古学の先生による「名古屋城の秘密を読み解く」と題する講演会を聞きに行った。 講師となっていただいたのは奈良大学学長の千…

リバース・スプロールにいかに対応すべきか

名古屋では今、リニア中央新幹線の2017年度東京―名古屋間開通に向けて、地域活性化への期待が高まっている。開業後の2030年における名古屋圏の都市と住まいのあり方について、二人の研究者に話を聞いた。一人は成長管理型都市計画を研究しているM氏。もう一…

「これからの防災まちづくり」は情報共有と超ポジティブ思考

東京大学生産技術研究所の加藤孝明准教授の講演を聴く機会があった。その超ポジティブな発想に驚愕した。 講演のタイトルは「防災の基本とこれからの防災まちづくり」。最初に先生が専門とする「地域安全システム学」(先生曰く、東大生産技術研究所では一人…

消費税増税駆け込み完了検査への対応準備は大丈夫?

住宅業界は消費税増税後のすまい給付金が10月1日に閣議決定され、駆け込み建設もようやく収まってきた感じだが、それでも今年上半期の住宅建設戸数はけっこうすごいことになっている。11月29日に公表された最新の建築着工統計調査報告によれば、今年度上半期…

準備運動が不十分な者は懲戒処分!?

建築士会連合会の機関紙「建築士」に、国土交通省からの「建築士の定期講習未受講者に対する懲戒処分について」と題する「お知らせ」が掲載されていてびっくりした。日本建築士事務所協会連合会のHPにも同じ文章が掲載されているので、建築士関係の団体に周…

一家に一台、車椅子! 人にやさしい街づくりセミナーin田原に参加して思ったこと

先日土曜日に田原市で開催された「人にやさしい街づくり地域セミナー『出掛けたくなる街in田原』」に参加した。当日は冒頭の挨拶や説明の後、参加者が6つのグループに分かれて、それぞれ別々に定められたコースに従って街に出掛け、課題や改善点等を点検する…

高齢期の住まいと地域包括ケア

(公社)都市住宅学会中部支部主催の講演会に行ってきた。講師は日本社会事業大学専門職大学院准教授の井上由起子さん。先生は建設会社勤務等を経て、旧国立医療・病院管理研究所、国立保健医療科学院に在籍。2012年より現在の大学院に所属している。厚生労働…

住宅セーフティネットの実態と論点

「住宅政策のどこが問題か」や「都市の条件」などの著作がある神戸大の平山教授に名古屋までお越しいただき、「住宅セーフティネットの実態と論点」と題して講演をしていただいた。約1時間、先生からお話をいただき、残りの1時間で意見交換をしたという感じ。…

公営住宅は必要管理戸数ではなく年間募集戸数を重視すべき

公営住宅に関わる仕事をしていると、「いったい公営住宅は何戸必要なんだ」と聞かれることがよくある。若い頃には、「収入基準が所得階層の下から1/3(当時)で設定されているから、総戸数の1/3ですよ」なんて答えていたが、現実には5%位しかないか…

愛知見守り大家さんの実態について

公益社団法人愛知共同住宅協会は名古屋・豊田地域で賃貸住宅経営を行っている事業者が集まり、昭和52年に設立された団体だ。全国連合組織である公益社団法人全国賃貸住宅経営者協会連合会の下部組織でもあり、同種の地域組織としては、公益社団法人東京共同…

愛知県の高齢者居住安定確保政策の現状

都市住宅学会中部支部公共住宅部会で愛知県の高齢者居住安定確保政策の現状について聴く機会があった。愛知県では平成24年3月に愛知県高齢者居住安定確保計画を策定しているが、その内容の説明とともに、計画策定とほぼ同時に開始されたサービス付き高齢者向…

伊勢の式年遷宮と伝統技術の継承

今年は20年に一度の伊勢神宮式年遷宮の年である。伊勢市にある皇學館大學文学部の岡田教授から伊勢神宮の式年遷宮に係る話題についてお話を伺った。 そもそも伊勢神宮とは、という話題から入るが、創紀は内宮の皇大神宮が297年、外宮の豊受大神宮が478年。皇…

戸建住宅団地の居住環境評価

国土交通省(土地・建設産業局)では平成21年度に「戸建て住宅団地の居住環境評価に関するガイドライン」を策定・公表している。この内容を詳しく聞き、意見交換をする機会があったので報告する。 ガイドラインは、住宅単体の性能表示制度はあるが住宅団地の…

「良いまちなみ」から「住みよいまち」へ

都市住宅学会中部支部総会講演会に参加した。講師は近畿大学を今春に退職した森本信明名誉教授。2008年に「まちなか戸建」を執筆発行されているが、何故かこの本は読んでいない。たぶん当時は私の関心が公営住宅や住まいのセーフティネットの問題に占められ…

地震・津波災害に強いまちづくりガイドライン

中部地方整備局で「地震・津波災害に強いまちづくりガイドライン」の策定が進められている。先月18日に第6回検討委員会が開催され、中間とりまとめ(案)が提示された。先日、中部地方整備局の職員の方から内容について聞かせていただく機会があり、ある意味…

外国人居住者の居場所-ある団地での誕生と終焉

建築雑誌2012年5月号に掲載され、2012年日本建築学会優秀卒業論文賞を受賞したことから、指導教官の小松先生にお願いし、現在は名古屋大学大学院修士1年の筧さんに研究報告をしてもらった。発表論文だけでなく、その前段としての外国人登録者の状況や研究対…

大阪の保証金方式による借家建設

12月14日に開催された公共住宅部会(都市住宅学会中部支部)は面白かった。テーマは「日本の住宅事情史 Topic-1 (大阪の保証金方式による賃貸供給)」。講師は豊橋技術科学大学名誉教授の三宅醇先生。 先生は最近、「日本の住宅事情史」をまとめる構想を持…

江戸・東京・名古屋 歴史に学ぶ安全安心なまちづくり

「歴史に学ぶ安全安心なまちづくり」と題するセミナーに参加してきた。タイトルが安直だが、講師陣は三者三様。トップバッター、名古屋大学減災連携研究センターの武村雅之先生からは「関東大震災から見える江戸・東京の街の変化」。2番バッター、名古屋大学…

住宅サイドから考える道路の再生・維持・更新。問題は道路をいかに廃止するか。だが同時に宝の山でもある。

笹子トンネルの事故には驚いた。最初、トンネルの崩落事故と報道され、数十年前の北海道での豊浜トンネル崩落事故を思い起こしたが、今回は天井パネルの落下による事故で、崩落という言葉は正しくない。 その原因についても多くの専門家から様々な声が挙がっ…

災害からのすまいと地域の回復

もう1か月以上前に聞いた講演だが、その夜はそのまま講師を囲む会に参加したため、記憶も薄れ、今日までまとめないままになっていた。テーマは表記のとおりだが、事前に打ち合わせをした際に、「『災害からの住宅誌』で取り上げていた海外での被災後の仮住ま…

住宅政策の未来?

これまでもこのブログに書いてきたことのように思うが、いつ書いたか検索するのも面倒だし、最近思ったことということで改めて書き留めておきたい。 しばらく前に、愛知県内のシルバーハウジングでLSA(生活援助員)を務める方たちや市町の福祉部局、LSA派遣…

地域の豊かさの意味と公共政策

「住民の幸福とは-地域の豊かさの意味と公共政策」と題する講演会に参加した。講師は前半が千葉大法経学部の広井良典教授。後半は公益財団法人荒川区自治総合研究所の二神所長。 まず、広井先生からは「地域の豊かさの意味と公共政策-ポスト成長時代の社会…

東日本大震災への住宅行政の対応と平時の備え ~ 仮設住宅中心を改め、仮設避難施設を供給し恒久住宅対策に重点を移すべき

先日開催された公共住宅部会は意見交換の後半で刺激的な提案が飛び出し、活気と興奮に満ちた研究会となった。基調報告は中部地方整備局の宮森住宅整備課長。ブログ記事と同じタイトルで1時間以上にわたり、東日本大震災への住宅行政の対応と自ら岩手県で応急…

社会学と都市計画の違い

先日読んだ「限界集落の真実」は面白かった。筆者の山下氏は青森県等で集落調査をすると同時に、集落の再生活性化について住民と一緒になって考えた。先進県視察に同行し、集落の人々の「うちの女の人たちなら、もっといい味出すな」という言葉がきっかけと…

北海道の移住・定住政策

豊橋技術科学大学の谷先生から 、北海道の各市町村で実施されている移住・定住政策についてお話を伺った。以下、簡単にメモを残すが、資料配布はなかったので間違いはご容赦いただきたい。 北海道では、道主導の下、道内の市町村が参加して、平成17年度に北…

高齢者から「つながる」

先日、高齢者住まい計画関連の会議で、興味深い話を聞いた。委員の一人、K先生が最近経験したこととして、「ある一人住まいの男性から近所の人々に『私はこういう者でけっして悪い人間はないので、万一のときはよろしく』といった内容のチラシが配られた」と…

最近の大学建築学科の研究室選び

名古屋大学の恒川先生がfacebookで、意匠・計画・都市系の研究室の4年生配属が少ないと嘆かれて、ひとしきり話題になっていた。 実は娘はその3年生に在学しており、まさに計画系を選択しなかった一人なので、学生側からの話も含めた現状と感想を一言。 とい…

名古屋市都市計画マスタープランを考える

名古屋市の都市計画マスタープランが昨年末に決定・公表された。なかなか面白いという話を聞いていたが、先日、名古屋市の職員の方をお迎えし、内容について伺う機会があったので参加した。名古屋市都市計画マスタープランの内容については名古屋市のHPに掲…

ワールドカフェ方式

大勢の人々の参加と合意の下で計画策定などを進める手法として、ワークショップを開催するということはもうほとんど当たり前な手法として実施されている。もちろん何でもワークショップをすればいいわけではなく、目的に応じて適当な方法で行うことが大事な…

公営・URにおける外国人居住問題

都市住宅学会中部支部公共住宅部会で、法政大学兼任講師・NPO法人かながわ外国人すまいサポートセンター理事の稲葉佳子さんから公営・URにおける外国人居住問題について話を伺った。先生は新宿区新大久保をフィールドに外国人居住問題について研究を重ねてき…

高蔵寺ニュータウンの未来像

(社)都市住宅学会中部支部住宅再生部会が主催して、「高蔵寺ニュータウンの未来像」と題するシンポジウムが開催された。冒頭、椙山女学園大学の村上先生からあいさつを兼ねて、多摩・千里と比較しつつ高蔵寺ニュータウンの概略説明があった後、基調講演とし…

新たな担い手たちが共に創り育てるまち

6月8日に開催された「あいちまちづくりシンポジウム」は、「新たな担い手たちが共に創り育てるまち」をテーマに、地域住民が主体となったまちづくりを実践している名古屋学院大学の水野教授と、NPO法人岡崎まち育てセンター・りた事務局長の三矢氏が講師とな…

国・地方・政治家の役割 復興の進め方を考える

土曜日に放送されたNHKスペシャル「シリーズ東日本大震災 第1部 復興はなぜ進まないのか ~被災地からの報告~」を少しずつ見ていっている。ようやくながら宮城県では復興への模索が始まったことが報告されていた。その中で、「国の復興方針が示されないので…

シンポジウム「東日本大震災から学ぶ」

6月11日に名古屋大学で震災関連シンポジウム「東日本大震災から学ぶ」が開催された。一般市民向けの無料公開シンポジウムということで、妻と一緒に参加してきた。濱口総長、佐分副総長の開会・閉会の挨拶に挟まれて、専門の異なる7名の先生方から様々な報告…