ニュータウン人・縁卓会議2019 in 港北ニュータウン

2019年9月22日(日)に、港北ニュータウン内の東京都市大学横浜キャンパスで「ニュータウン人・縁卓会議」が開催された。会議の冒頭で、東京都市大学の室田教授から、ニュータウン人・縁卓会議のこれまでの歴史などが説明された。2006年10月に多摩ニュータウン…

港北ニュータウンと「中川地区」まち歩き

港北ニュータウンで「ニュータウン人・縁卓会議」が開催された。私は高蔵寺ニュータウンの現状を報告するために参加したが、会議前の午前中、港北ニュータウンのまち歩きツアーがあったので、まずはそれに参加した。 横浜市営地下鉄「センター北」駅の直上に…

夢みる名古屋☆

ふわふわとしたタイトルで、流行のナゴヤ本かと思ってしまう。だが内容は強烈な都市開発批判だ。過激な超左翼と言ってもいいかもしれない。だが、読み進めると、名古屋・愛知県の戦前から戦後にかけての、今はほとんど語られることのない歴史が明らかにされ…

アナザーユートピア☆

「Another Utopia」と題する新建築に掲載された槙文彦の論文に呼応し、様々な分野の専門家が論文を寄せた。槙が提起したのは、「オープンスペース」にはもっと多くの可能性があるのではないか、専門領域を超えたディスカッションの対象とすべきではないかと…

地域をまわって考えたこと

小熊英二と言えば、自分の父親の半生を客観的に取材した「生きて帰って来た男」は面白く読んだ。歴史社会学者という肩書になっているが、現代社会に対してもそれなりの意見を述べる論客というイメージでいた。本書はそんな小熊氏が移住希望者向けの雑誌「TUR…

空き家対策の決め手は壊すことという真っ当な意見

先月末、都市住宅学会中部支部の空き家セミナーを聴講した。講師は(株)住宅相談センターの吉田貴彦氏。大学で法学部を卒業後、不動産会社、ハウスメーカーを経て、2004年に独立。当初はホーム・インスペクションが中心だったようだが、最近は国交省の「地域…

空き家を活かす

昨年の秋に発行され、購入して以来、長く書棚の上に積まれたままになっていた。松村秀一が「空き家を活かす」と書けば、内容は全国のリノベーション事例になるに決まっている。実際、本書では、和歌山市のリノベーションスクールに始まり、全部で8つの事例が…

ブランドとしてのDIYカリスマ

DIYクリエイターのChikoさんとは、2017年に高蔵寺ニュータウン住宅流通促進協議会が開催したDIYワークショップ(「高蔵寺ニュータウンについて(その2)」)で知り合い、その後、Facebookでのお付き合いが続いている。一方、DIYワークショップの成果を引き継…

(住宅)事業評価に係る研究者の目線・事業者の目線

大学研究者や行政担当者等が集まった学会組織で、地域でこれまで行われてきた様々な住宅事業について評価・分析するような冊子を作ろうということになった。基本的には学生の研究活動の一環として、卒論・修論のテーマとして取り上げることで、効率的に評価…

萩城城下町を歩く

津和野と言えば萩。山陰旅行の最後は、萩の城下町を歩いてきた。 中央公園駐車場にクルマを停めて、まず向かったのは「青木周弼旧宅」。ちなみに旧城下町一帯が国指定史跡「萩城城下町」に指定されているが、青木家旧宅が単独で指定されているわけではない。…

津和野は重伝建にして日本遺産の街

津和野と言えば、「アンノン族」や「るるぶ」の時代に萩と並んで大ブームとなった。私も学生時代に一度訪ねた記憶がある。それから40数年。今、津和野はどうなっているのか。GWに山陰を旅行した際に、津和野の町も歩いてきた。ちなみに旧津和野町は2005年に…

熱海の奇跡☆

4月に筆者・市来広一郎氏の講演会「熱海のリノベーションまちづくり」に参加した。非常に啓発される講演会だった。次は本書を読もうと思っていたが、ようやく読み終えることができた。時間が空いたが、それもまたよかったのではないかと思っている。講演会だ…

団地と移民

安田浩一と言えば、「ネットと愛国」で有名になり、その後も右翼やヘイトスピーチなどを取り上げたルポルタージュが多いライターだ。本書では団地に住む移民を中心に、差別やヘイトの問題を取り上げているのかと思って読み始めたが、思った以上にまともに現…

石見銀山・大森の町並み

山陰旅行で訪れた古い町並み歩き。倉吉の報告をしてからだいぶ時間が過ぎてしまった。公私にゴタゴタが続いているが、気分転換のためにも次の石見銀山・大森の町並みを報告しておこう。 石見銀山へは4月29日の午後に到着した。前日、倉吉から境港へ行って新…

家の文化学

「家」という言葉から当然のように家屋としての「家」だと思って読み始めたが、そればかりではなくて「イエ」制度のことでもある。本書に寄稿している執筆者は、アメリカ文学、日本古典文学、古筆学、古典芸能、日本近世文学、民俗学、女性論、社会学、そし…

ひとり空間の都市論

「都市」を「ひとり空間」という視点から見る・考察する、というのは面白い視点だ。筆者は都市・建築論を専門とする社会学者。建築職の立場からすると、都市にしろ、住宅や商業施設などの建物にしろ、既に「ひとり空間」という視点からの様々な取組や考察が…

倉吉の町並みを歩く

GW中、山陰を旅行した。家族旅行なので鳥取砂丘や秋吉台など、いわゆる観光地にも行ったが、古い町並みもいくつか訪れた。その中からまずは倉吉から報告をしたい。倉吉へは28日の午後に到着した。まず市役所にクルマを止める。本庁舎は1956年丹下健三の作品…

熱海のリノベーションまちづくり

先日、都市住宅学会中部支部の主催で、熱海でまちづくり事業を展開する市来広一郎氏の講演会が開催された。中心市街地活性化の事例としてビジネス界では超有名人ということだったが、恥ずかしながら私は噂程度にしか知らなかった。著書「熱海の奇跡」は後日…

奇跡の集落☆

新潟県十日町市池谷集落と言えば、地域おこし協力隊の活動の中では最も有名な取組の一つのようだ。6世帯13名という廃村寸前の状態から11世帯23名まで盛り返し、限界集落から脱却していく過程を詳しく紹介している。筆者は、この集落に地域おこし協力隊として…

おいでん・さんそんセンターと足助の町並み

2002年から2004年にかけて、足助町役場で働いていたことがある。その後もしばらくは現地に行って、当時の仕事仲間や定住した家族に会いに行ったこともあったが、ここ10年ほどはほとんどご無沙汰している。「三河山間地域の定住施策―愛知県交流居住センターの…

限界都市 あなたの街が蝕まれる☆

日経新聞で2018年3月から連載されてきた「限界都市」シリーズを加筆修正して発行されたのが本書だ。日経といえば企業寄りのスタンスだと思うが、本書ではそんな企業の利益追求活動による弊害をあからさまに描き出す。それだけ都市における矛盾、問題が深刻に…

西洋の都市と日本の都市 どこが違うのか

昨年、「西洋都市社会史」を読んで、本書を読んでみたくなった。「西洋都市社会史」が、タイトルに似合わず、ヨーロッパ各国都市の訪問記だったのに対して、本書は「比較都市史入門」という副題がついているように、ハンザ都市を中心とする西洋都市史を教科…

地方都市の持続可能性

本書の最終盤、第5章に突然「この先例として学ぶべきは東京の多摩ニュータウンや愛知の高蔵寺ニュータウンなどだろう」(P249)と書かれていてびっくりした。でもその後は多摩ニュータウンの高齢化や施設の老朽化を指摘するのみで、高蔵寺ニュータウンについて…

建築で都市を創るということ 「ニュータウン」の意味

先に、「若きプランナーが目指した高蔵寺ニュータウンの未来像」(http://ozakigumi.hateblo.jp/entry/2019/04/05/233638)と題して、「高蔵寺ニュータウン50周年記念事業 公開研究会」の様子を投稿したが、後段で若林先生が「『ニュータウン』という言葉は…

若きプランナーが目指した高蔵寺ニュータウンの未来像

日本都市計画学会とUR都市機構の共催で、「高蔵寺ニュータウン50周年記念事業 公開研究会」が開催された。「高蔵寺ニュータウン草創期の話」で伺った筑波大名誉教授の土肥博至先生と、同時期に津端氏の元で高蔵寺ニュータウンの構想づくりに携わった元九州芸…

ベルリン・都市・未来☆

「アーティストやハッカー、DJ、ネオ・ヒッピーたちは、いかにベルリンの再生とソーシャル・イノベーションを引き起こしたのか? 近年、スタートアップ都市として注目を集めるベルリンを、「創発」という観点から描く。」 図書館の内容説明に、上記のように…

可児市周辺の大規模商業施設を見て

岐阜県可児市の「ピアゴ可児店」が「ドン・キホーテUNY可児店」に変わったというので、可児市在住の方の案内で見学をしてきた。場所は可児市役所の隣。ピアゴ可児店は1981年にユニー可児店として開店したが、2010年に一旦閉店。その後、2012年に建物もS造平…

老いた家 衰えぬ街☆

前著「老いる家、崩れる街」は、既に進行しつつある空き家・空き地の大量発生に対して、都市計画的見地から問題点を指摘し、方策を提案したものだった。本書では、大量の「空き家予備軍」に焦点を当て、「問題先送り空き家」の実態と問題点を指摘する。特に…

つくられた桂離宮神話

「京都ぎらい」以降、井上章一はすっかり有名になった。TVの歴史番組でもちょくちょく見かける。自らの著作に加え、歴史学者である本郷和人との対談本「日本史のミカタ」も出版している。先日、友人から「外国人が見た日本」(中公新書)に「桂離宮とタウト…

モダニズム崩壊後の建築

先に読んだ「ル・コルビュジエがめざしたもの」の続編。本書では副題「1968年以降の転回と思想」にもあるとおり、1968年以降の現代建築に対する批評などを収録している。本文中にもあるが、現代建築と近代建築の境はどこになるのか。筆者は前書で近代建築、…