高蔵寺ニュータウンについて(その3)

「高蔵寺ニュータウンについて(その2)」から続く。 サンマルシェ内に設置された市民団体拠点施設「東部ほっとステーション」には現在、10団体が登録し活動を行っている。その中の一つ、NPO法人「高蔵寺ニュータウン再生市民会議」は、ニュータウンの計画立…

高蔵寺ニュータウンについて(その2)

「高蔵寺ニュータウンについて(その1)」から続く。 2016年3月に「高蔵寺リ・ニュータウン計画」が策定・公表された。計画期間は2025年までの10年間。「ほっとできるふるさとでありながら、新たな価値を提供し続ける“まち”であり続けること」(リ・ニュータ…

高蔵寺ニュータウンについて(その1)

都市住宅学会の機関紙「都市住宅学」第102号に、依頼を受けて、高蔵寺ニュータウンの最近の動向等に関する文章を書いた。著作権の問題もあるが、せっかくまとめたことでもあり、適当に改変しつつ、ここに掲載したい。 高蔵寺ニュータウンは、1968年に最初の…

多摩ニュータウンを歩いてきました。(その2)

「多摩ニュータウンを歩いてきました。(その1)」から続く。 エステート永山はURが分譲した中層マンションだが、エステート鶴牧にも似た感じで、緑が多く清楚な佇まい。その手前には高層の民間分譲マンションが並んでいる。そして歩道の南側、旧西永山中学…

多摩ニュータウンを歩いてきました。(その1)

先月の猛暑の最中、いやそれでも曇りがちで、名古屋に比べればまだしのぎやすい天気だった。上京する機会があり、ついでに多摩ニュータウンを歩いてきた。午前中に練馬区で用事があったため、その後、光が丘団地を見学。中心の商業施設IMAで食事をした後、少…

「都市の正義」が地方を壊す☆

○日本社会の人口減少は、地方のみならず首都圏を含めた国民全体の課題である。そして東京一極集中はこの国の構造そのものだから、首都・東京こそがこの問題の中心的な当事者であるはずだ。/にもかかわらず、国民の多くがこの地方創生をまるで対岸の火事のよ…

縮小まちづくり

米山秀隆と言えば、空き家問題の専門家というイメージがあるが、本書では空き家問題の前提となる都市の縮小・地域の縮小をテーマに、第1章・第2章ではエリアマネジメントやコンパクトシティ政策でいかに都市を縮小していくかを考え、第3章・第4章では縮小す…

地元経済を創りなおす

知人から勧められて読了。地域のお金は地域で回すようにしましょう、というのは、藻谷浩介が「里山資本主義」で述べていたことと同じ。これに、「漏れバケツ理論」や市町村単位の産業連関表、地域経済分析システム、地域内乗数効果とLM3などの理論やツールを…

近居とは ― 不十分な社会支援と不安定な家族支援の狭間

先日、「郊外住宅団地における多世代居住の可能性と近居実態」と題する講演会に行ってきた。旧日本住宅公団が昭和43年から横浜市で開発をした左近山団地における近居実態の調査結果を報告したもので、団地入居者の近居率や外出頻度などを調査した上で、近居…

西洋都市社会史

「西洋都市社会史」という堅いタイトルだが、内容はヨーロッパ、特に北ドイツを中心とした各都市の訪問記である。筆者は中世ハンザ都市の都市史を研究する経済学者。筆者が勤務する中央大学の雑誌「中央評論」に掲載してきたエッセイを中心に、全20章にまと…

次の震災について本当のことを話してみよう

福和先生とは地元で昔から何かとお付き合いがある。講演会でいじられることもあれば、飲み会で同席したこともあった。本書には日頃から色々な機会に聞いてきた話がほとんど網羅的に書かれている。その点では内容的に特に驚くこともない。 第2章の冒頭で、阪…

港北ニュータウンへ行ってきました。

港北ニュータウンと言えば、今や人口20万人を超える大ニュータウンで、今さら私が紹介するまでもないとは思うが、たまたま先日、港北ニュータウンを歩く機会があったので、報告をしておきたい。首都圏にお住まいの方には田舎者の見学記としてご笑覧いただき…

知られざる地下街

(P019)に「こんなに距離が短い地下街があった」として、「蒲郡北駅前地下街」が紹介されている。(P025)に「全国地下街一覧」が掲載されているが、80ヶ所の地下街のうち、人口10万人以下の市にある地下街はこの「蒲郡北駅前地下街」だけだ。生まれ育った町な…

岐阜市の歴史的町並み

岐阜市の川原町辺りを歩いたのはもう14年も前のことだ。先月、日本建築学会東海支部都市計画委員会の主催で、岐阜市歴史まちづくり課の方から「歴まち計画」について聞き、現地を案内していただく見学会が開かれた。久しぶりに岐阜市の町並みが見たくて参加…

人口減少時代の都市

「人口減少時代の都市」の後ろには「経営戦略」と補えばいいのだろうか。経済学者から見た成熟型の都市政策の提言。だが、書かれていることにそれほどの意外性はない。むしろこれまで都市計画の研究者が言ってきたことを経済学者の観点から言い直したような…

グルッポふじとう(高蔵寺まなびと交流センター)、オープン

新年度を迎えた先週日曜日の4月1日、高蔵寺ニュータウン内に新たな市民交流拠点「グルッポふじとう」がオープンした。「まなび」「交流」「居場所」をコンセプトにした多世代交流拠点施設というのが、春日井市が紹介する施設のコンセプトで、図書館、児童館…

「ゆいま~る大曽根」を見学

昨年8月に紹介した「ゆいま~る大曾根」は9月に入居が始まっている。その後、追加分30戸も公社からの賃貸が決まり、現在、第2期分の工事と募集が行われている。また、1階の大型店舗だった部分も、地域コミュニティ拠点としてNPO法人「わっぱの会」が借り受け…

ニュータウンの社会史☆

○ニュータウンのなかに入り込んでたくさんの経験を積んでいくなかで、「オールドタウン」だとか、高齢化で限界集落間近だとか、犯罪の巣窟だとかいって、一方的に切って捨てる、その視線のありように激しく反発を覚えるようになった。人の生活や営みを、その…

「押沢台ブラブラまつり」と「押なび」

高蔵寺ニュータウンの東端の町内、押沢台でちょっと気になる住民活動が続けられている。題して「ブラブラまつり」。今年度の「第13回住まいのまちなみコンクール」で国土交通大臣賞を受賞した。また最近、地元中日新聞の地域版に、地域の特色をまとめた冊子…

「春日井市を元気にするアイデア」募集

春日井商工会議所が創立50周年を記念して、昨夏から「春日井市を元気にするアイデア」の募集をしていた。先週末に開催された50周年記念大会で表彰式が行われ、私の提案を最優秀賞に選考いただいた。入選までは知っていたが、最優秀賞は当日、壇上で初めて発…

自分にあわせてまちを変えてみる力

饗庭伸の本を読みたくて、本書を借りてみた。ただし、これは饗庭伸の他、薬袋奈美子や秋田典子など大学を異にする6名の研究者の共著。共同で実施した韓国と台湾におけるまちづくり調査の内容をまとめたもの。 ただ、まとめ方はかなり面白い。出だしの「アジ…

高蔵寺ニュータウン草創期の話

映画「人生フルーツ」が全国的にヒットして、津端修一夫妻のことは高蔵寺ニュータウン内でも大きな話題になっている。先日は妻が、正月に東海TVで再放送された番組を録画して友人と鑑賞会をしていた。私も、社内の本棚にあった「高蔵寺ニュータウン計画」(…

都市をたたむ☆

先日聴いた饗庭伸氏の「人口減少時代の都市計画・まちづくり」が非常に面白かったので、本書を購入して読了。都市のスポンジ化とそれに対応した都市計画手法については、先日の講演会でも話された、立川市や鶴岡市の事例も紹介されており、改めてナットク。…

郡上八幡と大鍬宿の空き家対策

都市住宅学会中部支部の講演会に行ってきた。テーマは中山間地の空き家対策。岐阜県郡上市郡上八幡と瑞浪市大湫町のまちづくりについて話を聞いた。 最初は、「一般財団法人 郡上八幡産業振興公社」専務の武藤さんから、「郡上八幡のまちづくりと空き家対策…

僕らの社会主義☆

國分功一郎はかねてより注目している哲学者であるが、それがコミュニティデザイナーの山崎亮氏と対談する、というのはかなり異色の組み合わせのように感じた。が、読んでみると、確かに國分氏は「来たるべき民主主義」で住民運動を通して、住民自治の問題な…

今年もよろしくお願いします

ままま勝川と勝川駅周辺の商業施設

久しぶりに名古屋へ出た帰りに、勝川駅周辺を回ってみた。勝川地区は同じ春日井市内でもあり、時々、駅を利用したり、最近では年に一度、市が開発したホテルプラザ勝川での会合に出席したりしているが、駅周辺をじっくり歩いたことは少ない。これまで、2000…

ヤンキーの虎

先に読んだ「これからの地域再生」の中で藤野氏が書いていた「ヤンキーの虎」に興味が湧いて、本書を読んでみた。うーん、期待ほどには面白くなかった。 「地方は今、筆者が『ヤンキーの虎』と名付けた起業家が現れ、地域経済を引っ張っている」というのだが…

人口減少時代の土地問題

公共事業の土地買収にあたり、土地の所有者が死亡して相続人が多数にわたり、非常に難航するケースがあるという話は聞いていた。高度経済成長に伴い、多くの若者が都会へ出て行き、所有者が死亡した後に放置された山や田畑が多く見られるようになってきた。…

人口減少時代の都市計画・まちづくり

首都大学東京の饗庭教授の講演を聞いてきた。名工大のコミュニティ創成教育研究センターが主催するコミュニティ工学ワークショップの一つでテーマは「人口減少時代の都市計画・まちづくり」。饗庭先生は2014年に発行された「白熱講義 これからの日本に都市計…