石見銀山・大森の町並み

山陰旅行で訪れた古い町並み歩き。倉吉の報告をしてからだいぶ時間が過ぎてしまった。公私にゴタゴタが続いているが、気分転換のためにも次の石見銀山・大森の町並みを報告しておこう。 石見銀山へは4月29日の午後に到着した。前日、倉吉から境港へ行って新…

家の文化学

「家」という言葉から当然のように家屋としての「家」だと思って読み始めたが、そればかりではなくて「イエ」制度のことでもある。本書に寄稿している執筆者は、アメリカ文学、日本古典文学、古筆学、古典芸能、日本近世文学、民俗学、女性論、社会学、そし…

ひとり空間の都市論

「都市」を「ひとり空間」という視点から見る・考察する、というのは面白い視点だ。筆者は都市・建築論を専門とする社会学者。建築職の立場からすると、都市にしろ、住宅や商業施設などの建物にしろ、既に「ひとり空間」という視点からの様々な取組や考察が…

倉吉の町並みを歩く

GW中、山陰を旅行した。家族旅行なので鳥取砂丘や秋吉台など、いわゆる観光地にも行ったが、古い町並みもいくつか訪れた。その中からまずは倉吉から報告をしたい。倉吉へは28日の午後に到着した。まず市役所にクルマを止める。本庁舎は1956年丹下健三の作品…

熱海のリノベーションまちづくり

先日、都市住宅学会中部支部の主催で、熱海でまちづくり事業を展開する市来広一郎氏の講演会が開催された。中心市街地活性化の事例としてビジネス界では超有名人ということだったが、恥ずかしながら私は噂程度にしか知らなかった。著書「熱海の奇跡」は後日…

奇跡の集落☆

新潟県十日町市池谷集落と言えば、地域おこし協力隊の活動の中では最も有名な取組の一つのようだ。6世帯13名という廃村寸前の状態から11世帯23名まで盛り返し、限界集落から脱却していく過程を詳しく紹介している。筆者は、この集落に地域おこし協力隊として…

おいでん・さんそんセンターと足助の町並み

2002年から2004年にかけて、足助町役場で働いていたことがある。その後もしばらくは現地に行って、当時の仕事仲間や定住した家族に会いに行ったこともあったが、ここ10年ほどはほとんどご無沙汰している。「三河山間地域の定住施策―愛知県交流居住センターの…

限界都市 あなたの街が蝕まれる☆

日経新聞で2018年3月から連載されてきた「限界都市」シリーズを加筆修正して発行されたのが本書だ。日経といえば企業寄りのスタンスだと思うが、本書ではそんな企業の利益追求活動による弊害をあからさまに描き出す。それだけ都市における矛盾、問題が深刻に…

西洋の都市と日本の都市 どこが違うのか

昨年、「西洋都市社会史」を読んで、本書を読んでみたくなった。「西洋都市社会史」が、タイトルに似合わず、ヨーロッパ各国都市の訪問記だったのに対して、本書は「比較都市史入門」という副題がついているように、ハンザ都市を中心とする西洋都市史を教科…

地方都市の持続可能性

本書の最終盤、第5章に突然「この先例として学ぶべきは東京の多摩ニュータウンや愛知の高蔵寺ニュータウンなどだろう」(P249)と書かれていてびっくりした。でもその後は多摩ニュータウンの高齢化や施設の老朽化を指摘するのみで、高蔵寺ニュータウンについて…

建築で都市を創るということ 「ニュータウン」の意味

先に、「若きプランナーが目指した高蔵寺ニュータウンの未来像」(http://ozakigumi.hateblo.jp/entry/2019/04/05/233638)と題して、「高蔵寺ニュータウン50周年記念事業 公開研究会」の様子を投稿したが、後段で若林先生が「『ニュータウン』という言葉は…

若きプランナーが目指した高蔵寺ニュータウンの未来像

日本都市計画学会とUR都市機構の共催で、「高蔵寺ニュータウン50周年記念事業 公開研究会」が開催された。「高蔵寺ニュータウン草創期の話」で伺った筑波大名誉教授の土肥博至先生と、同時期に津端氏の元で高蔵寺ニュータウンの構想づくりに携わった元九州芸…

ベルリン・都市・未来☆

「アーティストやハッカー、DJ、ネオ・ヒッピーたちは、いかにベルリンの再生とソーシャル・イノベーションを引き起こしたのか? 近年、スタートアップ都市として注目を集めるベルリンを、「創発」という観点から描く。」 図書館の内容説明に、上記のように…

可児市周辺の大規模商業施設を見て

岐阜県可児市の「ピアゴ可児店」が「ドン・キホーテUNY可児店」に変わったというので、可児市在住の方の案内で見学をしてきた。場所は可児市役所の隣。ピアゴ可児店は1981年にユニー可児店として開店したが、2010年に一旦閉店。その後、2012年に建物もS造平…

老いた家 衰えぬ街☆

前著「老いる家、崩れる街」は、既に進行しつつある空き家・空き地の大量発生に対して、都市計画的見地から問題点を指摘し、方策を提案したものだった。本書では、大量の「空き家予備軍」に焦点を当て、「問題先送り空き家」の実態と問題点を指摘する。特に…

つくられた桂離宮神話

「京都ぎらい」以降、井上章一はすっかり有名になった。TVの歴史番組でもちょくちょく見かける。自らの著作に加え、歴史学者である本郷和人との対談本「日本史のミカタ」も出版している。先日、友人から「外国人が見た日本」(中公新書)に「桂離宮とタウト…

モダニズム崩壊後の建築

先に読んだ「ル・コルビュジエがめざしたもの」の続編。本書では副題「1968年以降の転回と思想」にもあるとおり、1968年以降の現代建築に対する批評などを収録している。本文中にもあるが、現代建築と近代建築の境はどこになるのか。筆者は前書で近代建築、…

今年は高蔵寺ニュータウン、次の半世紀の始まり

昨年は多摩ニュータウンや港北ニュータウンなどを見学。そして高蔵寺ニュータウンは50周年を迎えた。今年は51年目。新たな半世紀が始まる。今年のお正月は久しぶりに家で迎えた。朝のウォーキングに少し足を伸ばして、近くの白山神社と円福寺まで行ってきた…

今年読んだ「すまい・まちづくり本」ベスト5

今年は都市・建築関係の本を18冊読んだ。例年よりは多め。その中からベスト5を選定してみた。都市の縮退や空き地・空き家等に係る本が多いのが今年の特徴。一般のメディアなどで取り上げられることも多くなってきた。 【第1位】都市をたたむ(饗庭伸 花伝社)…

第三セクターとエリア・マネジメントについて

地元県市と公益企業等が出資をして設立されたいわゆる第三セクターで、主には商業施設の管理運営を行っている会社がある。近頃、地元市が主導して、その商業施設を含む地域のエリア・マネジメントを行うために、まちづくり会社を設立した。地元商工会議所等…

人口減少社会の中で都市撤退の作法はあるか

上記タイトルのシンポジウムに参加した。12月8日に開催された都市住宅学会大会(名古屋)のメインシンポジウムだ。パネラーは次の5人。海道清信氏(名城大学教授)、唐渡広志氏(富山大学経済学部教授)、吉岡初浩氏(愛知県高浜市長)、市原正人氏((株)ナ…

世界の空き家対策

このところ、米山秀隆氏の空き家対策に関する本を続けて読んできた。日本の空き家問題とその対策を考える一方で、海外ではどうなっているのか、という疑問を持っていたが、さすが米山氏、しっかりと海外事例についても調査し、まとめられている。本書では米…

捨てられる土地と家☆

先に「縮小まちづくり」を読んだが、ほぼ同じ内容を、空き家・空き地の増加という観点から書いたのが本書。第1章「空き家・所有者不明土地の実態」から始まって、第2章「現状の対策」、第3章と第4章で「より根本的な対策①・②」、そして第5章はまとめとしての…

幸せな名建築たち☆

(一社)日本建築学会が編著となっている。会報「建築雑誌」に連載されていた41の住宅・建築物に「聴竹居」を加え、42の住宅・建築物の居住者・所有者・管理者に対するインタビューをまとめたもの。会誌編集委員会の下に、『幸せな名建築たち』小委員会が設置…

「住宅団地再生」連絡会議in高蔵寺

今年は高蔵寺ニュータウン入居開始50周年ということで、様々な催しが開かれている。6月には、ニュータウンで最初に入居が始まった藤山台地区の住民有志による「藤山台50周年記念式典が高蔵寺まなびと交流センター「グルッポふじとう」体育館で開催された。 …

ル・コルビュジエがめざしたもの

ル・コルビュジエ論かと思って読み始めたら間違う。あとがきで書いているとおり、モダニズム建築に関連して書かれた多くの論考などを集めたものである。本書に続いて、ポストモダン以降の建築を論じた現代編もすぐに刊行される予定という。いや、もう発行さ…

「(遊)OZAKI組 Homepage」の閉鎖について

「Yahoo!ジオシティーズ」から2019年3月末でホームページを終了する旨の連絡が届きました。この「(遊)OZAKI組」blogの過去ログは、右サイドの「リンク」にあるホームページ「(遊)OZAKI組 Homepage」に掲載していますが、「Yahoo!ジオシティーズ」ホームペー…

ほっとかない郊外

泉北ニュータウンで興味深い活動が行われているという話はこれまで何度も聞いてきた。この4月には都市住宅学会中部支部により、NPO法人すまいるセンターの西上代表理事による講演会が開催されたが、都合により出席できなかった。本書は昨年10月に発行された…

日本の醜さについて

井上章一を私は建築史家と思っている。「京都ぎらい」でブレイクして以降、本人は自分のことをどう考えているのだろう。本書は「小説幻冬」という文藝詩で連載した「結局、日本人とは何なのか?」を改題し加筆修正したものと書かれている。「あとがき」では…

藤森照信の建築探偵放浪記☆

○50年近く建築探偵業を続けていると、自分の関心の傾向が分かってくる。まず、その建築が作られた社会的、文化的、宗教的、歴史的背景への強い関心がある。作った人への興味も深い。/一方、そこに使われている素材、例えば泥とか石とかコンクリートとか、そ…